用途別狩猟シーンで活躍するおすすめのナイフを現役猟師がご紹介!

「狩猟ナイフを買おうと思うけれど、どれを買えばいいかわからない…」

狩猟用のナイフは独特で、選ぶのも大変ですよね。

そこで今回は、自分たちで狩猟もする銃砲店シューティングサプライが、おすすめの狩猟ナイフを紹介すると共に、選ぶ時のポイントやどういったシーンでどんなナイフを使うかを解説します。

狩猟ナイフ選びに悩んでいるあなたの悩みを解決する記事ですので、ぜひ参考にしてください。

おすすめの狩猟ナイフ2種類

まず持っておきたいナイフは大きく2種類あります。一つは「剣鉈けんたな」、もう一つは「ユーティリティナイフ」です。

それぞれ見ていきましょう。

1.剣鉈

剣鉈は、狩猟刀とナタが一体になったもので、比較的大型のナイフになります。

刃先が鋭利になっており、動物の止め刺しやヤブを払う場面で使うことが多いです。

ナタは重みで叩き切ることに対し、剣鉈は細かい動きでも斬ったり突き刺したりできるため、剣鉈の方が狩猟向きです。

おすすめは「土佐剣鉈」と呼ばれる剣鉈です。やや高めではありますが、動物と格闘戦になった時は命に関わるアイテムなので、良いものを買っておきましょう。

2.ユーティリティナイフ

ユーティリティナイフはその名の通り、多くの場面で使えるナイフです。比較的小型のものが多く、動物の皮剥ぎや骨取り、肉切りなどの解体に使います。

便利なナイフではありますが、小型のため止め刺しやヤブ払いをするにはやや不十分です。

おすすめは「モーラナイフ」で、ひとまずこれ一本あればユーティリティナイフで困ることはほぼありません。

このモーラナイフを基準に、「もう少し長い方がいい」「刃に厚みが欲しい」など次のナイフ選びの基準を作っていきましょう。

シューティングサプライ渡辺店長

「実は僕もモーラナイフ使ってるんです。軽いし安いし切れ味良いしでかなり使いやすいですね」

狩猟ナイフ選びのポイント

狩猟ナイフを選ぶ時には、3つのポイントがあります。それぞれ見ていきましょう。

ポイント1:銃刀法に抵触しないか注意する

銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)では、刃物は大きく「ナイフ」と「刀剣類」に分けられます。

刀剣類とは、刃渡り15cm以上の剣が該当し、大型なものだとハンティングナイフであったとしても「剣」としてみなされることもあります。また、6cm以上の刃物は正当な理由なく携帯できないため注意しましょう。

具体的には以下のことを守れば、銃刀法に抵触する可能性が下がります(最終的には警察の判断ですのでご注意ください)

  • 刃渡り15cm以下のナイフを選ぶ、または削る
  • 山や解体処理施設、自宅での手入れ以外でナイフを出さない
  • 何の目的で使用しているかを明確に説明できるようにする
    (動物の止め刺しや解体で使用するため、など)

いずれにせよ6cm以上のものは警察の判断によっては違法とされる場合があるので、自己責任でお願いします。

ポイント2:ユーティリティナイフは3,000円程度の安いものを使う

ユーティリティナイフの中には数万円するものもあります。確かに素材や形にこだわっており切れ味が鋭いものも多いのですが、問題が一つあります。それは、無くしやすいこと。

山の中でのナイフは脱落防止をつけていても、ケース毎無くしてしまうことがあります。急に獲物と出会い追いかけたり、逃げたりするうちに気付けば無いということも。剣鉈であれば大きいので気付きやすいですが、ユーティリティナイフは気付きにくいです。

山の中でナイフを無くしてしまうと、GPSで経路をスポットしていない限り見つかりません。落としたとしても心の平穏を保てる金額の物を選びましょう。

ポイント3:軽さはどうか(おすすめは300g程度)

狩猟する際は装備品の軽さも大切です。いくら便利でも重たい装備では獲物と出会う前にヘトヘトになってしまいます。

剣鉈の重さは300g程度がおすすめ。重くても400g程度にしましょう。反対に100gなど軽すぎると強度に不安があったり、突き刺せなかったりと難点が出てくるため、注意してください。

用途別でおすすめの狩猟ナイフ

先ほど紹介した以外にも、ナイフの種類やポイントがあります。ここでは、シーン毎におすすめなナイフを紹介していきましょう。

動物の止め刺し・血抜き:クリップポイントがある剣鉈

クリップポイントがある剣鉈は刺しやすいためおすすめです。ただし、捻りには弱く刃先が欠けてしまうことがあるのでご注意ください。

刀でいう「つば」の部分がある剣鉈だと、動物に突き刺した時に手が滑らないのでおすすめです。

動物の皮剥ぎ:スキナーナイフ

皮を剥ぐのであれば、「スキナーナイフ」と呼ばれる刃の先端が丸みを帯びているものをおすすめします。

ドロップポイントと呼ばれる緩やかな形状のナイフであれば、内蔵を傷つけずに皮だけ剥げるため特におすすめ。

動物の骨を外す、鳥の解体:ケーパーナイフ

細かい作業をする時は「ケーパーナイフ」と呼ばれる超小型のナイフがおすすめ。ケーパーは持ち手よりも刃が小さいもので、細かく刃先を動かすシーンに向いており、骨を外す時に使いやすいナイフです。

また、小さなカモなどを解体する時にも小回りが効くので使いやすく、自分で解体をする人なら絶対に持っておきたい一本です。

コラム:持ち運びにはレザーのケースがおすすめ

ナイフの持ち運びにはレザーのケース(シース)をおすすめします。プラスチックは割れる可能性があり、布だと貫通する危険があるためです。

最初からセットになっているものもあれば、自分で追加購入する必要があるものもあります。

レザーであれば、取り回しがしやすいかつ頑丈なため安心して持ち運べます。ただし、レザー自体の手入れが必要な点に注意しましょう。汚れを落としたり、保革油を塗るのを忘れずに。

本革のものであれば、使い込むとレザーの良い味が出てくるのでお金に余裕がある人は試してみてください。

まとめ

今回は狩猟で使うナイフについて解説しました。最後にポイントを振り返りましょう。

  • まずは「剣鉈」と「ユーティリティナイフ」を持っておく
  • ナイフ選びは「銃刀法に抵触しないか」「ユーティリティナイフは3,000円程度の安いもの」「300gくらいの軽いもの」をポイントに選ぶ
  • 皮剥ぎには「スキナーナイフ」、骨を外したり鳥の解体には「ケーパーナイフ」がおすすめ

この他にもシューティングサプライでは狩猟に役立つ記事を数多く公開しています。銃以外にも狩猟で使うアイテムも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

狩猟のギモン、YouTubeでお答えします

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