命中率を上げる!ドットサイトの仕組みから使い方、調整方法まで解説

特に動いている近距離の標的に対しては、ドットサイトがあることでかなり狙いやすくなります。

ですが、ゼロイン調整が大変だったり、選び方を間違えると獲物が見えなかったりと実用するには難しいアイテムでもあります。

そこで今回は、ドットサイトを販売する銃砲店シューティングサプライがドットサイトの仕組みから使い方、選び方までわかりやすく解説します。

※ダットサイトと呼ばれることもありますが、本記事内ではドットサイトに表記を統一しています

ドットサイトの仕組み

ドットサイトは、赤または緑のレーザーがレンズに反射して目に見えている仕組みです。このレンズの反射角を変えることで、弾着を調整できます。

ドットサイトには2種類ある

また、ドットサイトにはオープンタイプとチューブタイプがあります。

オープンタイプは視野を広く取りやすい、狙ってすぐ撃てるといったメリットがあり近距離向き、特に通常の散弾銃におすすめのドットサイト。

チューブタイプはスコープのような形となっており、狙いをつけて中距離射撃をするのに向きます。散弾銃でのスラッグ射撃に用いられることがあります。

ドットサイトの使い方と調整方法

ここでは、実際のドットサイトを使うための方法を紹介します。

ドットサイトの使い方

撃つ時は簡単で、表示された点と獲物が重なった時に引き金を引くだけです。

装着方法や調整方法はやや複雑なので、それぞれ紹介します。

ドットサイトの装着方法

ドットサイトを装着するには、銃側にマウントベースが必要になります。

銃によっては標準装備されているものもありますが、通常の散弾銃では後付けが必要な場合があるため注意しましょう。

マウントベースは銃により搭載方法が異なります。本体に穴を開ける場合もあれば、純正品をはめられる場合もあれば、マグネット式のものまで様々。

当店で取り扱っている銃であればアドバイスさせていただきますので、店頭でご質問ください。

ドットサイトのゼロイン調整方法

※まず最初に、ドットサイトは構造上「視差」が発生します。ドットサイトを見る角度によってドットがずれる(パララックスが生じる)ことを指します。この点をしっかり頭に入れご自身の銃できちんとした挙銃ができるか(銃を構えた時に毎回同じ角度、場所でドットサイトを覗けているか)が重要となります。これができないと間違った調整、無駄弾を撃つことになります。

 

ドットサイトのゼロイン調整は射撃場で行います。通常のスコープと異なり、レティクル(十字)が無いため、赤い点をダイヤルを回して動かしていく方法です。

調整はドットサイトについているネジで調整します。上に付いている調整ネジは上下を、横についている調整ネジは左右の調整を行います。

この時に注意が必要なのは、「UP、DOWN」と書かれた方向に回すと、”弾着”が上下するという意味です。ドットは逆方向に動くので注意してください。

散弾であればある程度中心に集団すれば良し、空気銃であれば弾が安いため納得いくまで調整できます。ハーフライフルもこだわって当てて欲しいですが、サボットスラグ弾は値が張るので、自分の中で合格ラインを決めておくことをおすすめします。

また、ゼロイン調整は、何m先の的で調整したかを覚えておきましょう。獲物が調整した距離より近ければやや下を狙う、遠ければやや上を狙うなど現場で狙いを変える必要があるからです。

ドットサイトの選ぶ3つのポイント

ドットサイトを選ぶときには3つのポイントがあります。

1.MOAと撃ちたい距離はあっているか

ドットサイトには「MOA」という単位があります。簡単に言うと、赤い点の大きさです。数字が大きいほど近距離向き、小さいほど遠距離向きになります。

遠距離向きの物を通常の散弾銃につけては、点が大きすぎて獲物が見えない。逆にライフルに近距離用の物をつけては点が小さすぎて獲物に当てられないなどの問題が起こり得ます。

事前に自分が猟をする際、おおよそ何m先の獲物を狙うことが多いのかを確認しておきましょう。

2.ドットの明るさを調節できるか

また、点の明るさ調節ができるかどうかも大切なポイントです。時間帯や周囲の環境によって明るさが変わり、当初設定していたドットでは見えにくくなることが多くあります。

物によってはダイヤルで明るさを変えられたり、ドットサイトの形状を変えられるものもあるため、購入前に機能を確認しておきましょう。

3.レンズの透明度や色は現地に適しているか

ドットサイトはレンズに色がついているものも多いです。また、透明度によっても見え方が変わることも。

例えば、晴れた日で木々の少ない場所や冬の猟ではややスモークがかったレンズが見やすい、周りが木々に囲まれ日中でも暗い場所ではクリアなレンズが見やすいなど、環境により見やすいレンズの透明度や色が異なります。

基本的には無色透明のレンズであれば、ほとんどのシーンで対応できるのでおすすめです。

ドットサイトが使えるシーン

では、実際の猟でどういった場面でドットサイトが役立つかを見ていきましょう。

動物猟

鹿やイノシシなどの動物を狙う場合、ドットサイトが活躍します。特にスコープを使用しにくい近〜中距離の場合、素早く狙って射撃できるドットサイトの強みを活かせるでしょう。

また、動く獲物を仕留めたい時にドットサイトの真価は発揮され、素早く点と獲物を合わせ引き金を引くだけで命中しますが、動いている速度によっては狙い越し(少し前を撃つ)しなければなりません。

別の用途としては、内臓に被害を出したくない時は頭を狙いますが、ハーフライフルで調整したドットサイトであれば狙いやすくかつ一撃で仕留められるため、重宝するアイテムです。

クレー射撃

クレー射撃にドットサイト!?と思われる方もいらっしゃると思いますが、案外使えます。

公式大会には出場しませんよ(公式大会ではドットサイト等のものは取付使用できません)や、効き目が構えの反対の方に重宝します。

ただ、元折れ以外の散弾銃では比較的取付は容易なのですが、元折れ式はリブしかなくドットサイトを乗せるマウントが皆無なので搭載が限られる場合もございます。

おすすめのドットサイト

次におすすめのドットサイトを紹介しましょう。ここではドットの明るさを調整できるもの、調整がしやすく使いやすいものを紹介しています。

また、ドットサイトは物毎に必要となる電池が異なります。事前に予備を含めて電池も購入しておきましょう。

1.東京スコープ「XT-6」

 

ドットの明るさ調整がボタン式で10段階の調整が可能。ドット上下左右の調整は六角レンチで行い、調整後はロックできる仕組みになっています。

国産のドットサイトであり、故障した時もすぐに対応してもらえるのが嬉しいポイント。使用電池はCR2032です。

2.VORTEXボルテックス「Crossfire Red Dot 」

 

明るさ調整は11段階あり、その中でもNV(ナイトヴィジョン)モードがあることが特徴。薄暗い場所でも獲物を狙えます。

バッテリーは最大50,000時間と言われており、これは長寿命でお馴染みのLEDライトに匹敵する性能です。こちらも使用電池はCR2032。

ドットサイトが使いにくい場面:遠距離の射撃

ドットサイトはあくまで近〜中距離を想定されて作られています。300mなど、ライフル射撃の距離となるとスコープが必要になるため、倍率の高いスコープの積み替えを検討しましょう。

特に北海道など広い所で猟をする場合は、止まっている獲物を遠くから狙撃することが多いです。

スコープについては以下の記事で基本を解説していますので、ぜひご覧ください。

ライフルスコープ、初めての基本の「キ」!

また、45°オフセットマウントをつけられるものもあり、スコープとドットサイトを使い分ける人もいます。スラッグ弾を使っており、近距離の獲物にもすぐに対応したい人にはおすすめです。

コラム:ドットサイトとホロサイトの違い

よくある疑問として、「ドットサイトとホロサイトは何が違うの?」という質問があります。

結論からお伝えすると、ドットサイトの光源はLED、ホロサイト(ホログラフィックサイト)は光源がレーザーとなってます。

構造上、ホロサイトはパララックス(視差)のズレが全く発生しない為、頬付けやサイティングに変化が生じても着弾のズレが生じません。逆にドットサイトは視差が発生する為、毎回同じサイティングをしないと着弾もズレてしまいます。

便利で言えばホロサイトですが、ドットサイトよりも価格が高いものが多いかつバッテリーの持ちが短めなものが多い、製品自体が大きい、です。そのため、狩猟やリーズナブルでお考えでしたらドットサイトの方がおすすめです。

おすすめのホロサイト「KONUS ホログラムサイト」

5段階の輝度調整機能付きで夜間でも使用可能なホロサイト。ピカティニーレールに搭載可能であり、ホロサイトの中でも使いやすい物になっています。

値段は30,800円で、ホロサイトの中では安価かつ性能の良いもののため人気の製品。使用電池はCR2032です。

当店、シューティングサプライでも販売しているため、実物を見て輝度やサイトの大きさを確かめたい方はレジでお気軽にご相談ください。

まとめ

今回はドットサイトについて解説しました。最後にポイントを振り返りましょう。

  • ドットサイトは獲物と赤い点が重なった時に撃って当てる
  • 構造上視差が発生する為、獲物や標的に命中させるには挙銃練習等が必要。
  • 事前の調整が必須で、一度つけたら位置を変えない方が良い
  • 選ぶポイントは「MOAと距離があっているか」「ドットの明るさを調節できるか」「レンズの透明度と色は適しているか」

命中率を上げるための射撃のコツについては以下の記事で解説しています。狩猟をされる方はあわせてご覧ください。

狩猟のギモン、YouTubeでお答えします

シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。

「鹿を仕留める時のコツはある?」
「銃の値段が違うと何が違うの?」
「そもそも銃砲店の店内ってどんな感じなの?」

上記のような、実際のお客様から寄せられた質問に対し、動画でお答えしています。他のチャンネルには中々ない、現場のギモンも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。

youtubeチャンネル「シューティングサプライ渡辺店長」はこちら

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