【狩猟動物】代表的な10種とおすすめの狩猟方法を銃砲店が解説

日本国内で狩猟が許可されているのは、26種の鳥類20種の獣類、合わせて合計46種の「狩猟鳥獣」です。

これらの動物は、資源としての利用価値、農林水産業への被害、個体数、生態系への影響などを総合的に判断して選定されています。

この記事では、一般社団法人 大日本猟友会の資料を参考に、日本の狩猟鳥獣の中から、代表的な10種を厳選し、それぞれの特徴とおすすめの狩猟方法について解説します。

1. キジ

  • 特徴

日本の国鳥で、オスは緑色を基調とした美しい羽毛と長い尾、顔の赤い裸出部が特徴。メスは地味な茶褐色です。平地の草地や農耕地、河川敷に生息します。

  • おすすめの狩猟方法
銃猟(散弾銃)草むらや林の縁に潜んでいることが多く、勢いよく飛び立つため、散弾銃での「巻き狩り」や「流し猟」が一般的です。猟犬を使うと、潜んでいるキジを見つけ出し、飛び立たせるのに非常に効果的です。
網猟(むそう網)経験と技術が必要ですが、特定の場所で網を仕掛けて捕獲する方法もあります。

2. マガモ

  • 特徴

最も身近なカモの一つで、オスは緑色の頭と白い首輪が特徴的です。メスは全身が褐色の地味な色をしています。全国の湖沼や河川に渡来する冬鳥です。

  • おすすめの狩猟方法
銃猟(散弾銃)水面にいる群れを狙う「待ち伏せ猟」や、水辺に潜んでいるカモを驚かせて飛び立たせる「忍び猟」が有効です。デコイ(鳥の模型)を設置して誘き寄せる方法も一般的です。
網猟(はり網)特定の場所を通過する経路に網を張る方法です。

3. キジバト

  • 特徴

全国的に見られるハトで、茶褐色の体に首の側面にある黒と淡褐色の横縞が特徴です。市街地から山林まで幅広く生息しています。

  • おすすめの狩猟方法
銃猟(散弾銃)農耕地や果樹園で餌を採りに来るのを「待ち伏せ猟」で狙うのが一般的です。木の枝に止まっているところを狙うこともあります。
網猟(なげ網)短距離から投げかけて捕獲する猟法ですが、熟練を要します。

4. ハシブトガラス

  • 特徴

全身が黒く、太くて頑丈なくちばしが特徴的な大型のカラスです。市街地から山林、海岸まで多様な環境に生息しています。

  • おすすめの狩猟方法
銃猟(散弾銃・空気銃)農耕地やごみ集積場などで餌をあさっているところを「待ち伏せ猟」で狙うことが多いです。賢いため警戒心が強く、遠距離からの狙撃には空気銃も有効です。
わな猟(はこわな)特定の場所に餌を置いて箱型のわなで捕獲する方法も行われます。

5. ヒヨドリ

  • 特徴

全身が灰色で、頬が茶褐色、比較的尾が長い鳥です。市街地の庭や公園、果樹園にもよく現れます。

  • おすすめの狩猟方法
銃猟(散弾銃・空気銃)果樹園などで果実を狙って集まってくるのを「待ち伏せ猟」で狙います。群れで行動することが多いため、効果的な猟が可能です。空気銃は住宅地に近い場所での狩猟に適しています。

6. イノシシ

  • 特徴

頑丈な体とオスに発達した牙を持つ大型獣で、農作物への被害が深刻化しています。森林や農耕地周辺に生息します。

  • おすすめの狩猟方法
わな猟(くくりわな、はこわな)最も一般的な方法です。イノシシの獣道やよく通る場所にわなを設置し、捕獲します。安全かつ効率的な捕獲が可能です。
銃猟(ライフル銃・散弾銃)「巻き狩り」と呼ばれる、猟犬や勢子(せこ)を使ってイノシシを追い出し、待ち構えるハンターが狙撃する方法が一般的です。大型獣のため、強力なライフル銃が主に用いられますが、散弾銃(スラッグ弾)でも可能です。

7. ニホンジカ

写真はエゾシカ。

  • 特徴

オスには枝分かれした大きな角があり、体色は季節によって変わります。近年、個体数が増加し、森林の植生や農作物への被害が深刻です。

  • おすすめの狩猟方法
銃猟(ライフル銃・散弾銃)イノシシと同様に「巻き狩り」が主流です。また、単独で行動するシカを尾行して狙う「忍び猟」も行われます。特にライフル銃は、遠距離からの精密な射撃に適しています。
わな猟(くくりわな)シカの獣道に設置して捕獲します。イノシシと共通のわなを使用できる場合が多いです。

8. アナグマ

  • 特徴

ずんぐりとした体と白い顔に黒い模様が特徴。夜行性で、主に土中のミミズや昆虫、植物の根などを食べる雑食性です。

  • おすすめの狩猟方法
わな猟(くくりわな、はこわな)巣穴の周辺や餌場となる場所にわなを設置して捕獲します。比較的おとなしい性質のため、わなでの捕獲が一般的です。

9. ハクビシン(外来種)

  • 特徴

細身の体に長く白い鼻筋が特徴で、木登りが得意です。果樹園や家屋への侵入による被害が深刻です。

  • おすすめの狩猟方法
わな猟(はこわな)家屋周辺や果樹園など、被害が出ている場所に箱わなを設置して捕獲します。
銃猟(散弾銃・空気銃)捕獲許可が出ている地域で、夜間の見回り時に発見した場合などに限定的に行われることがあります。

10. ヌートリア(外来種)

  • 特徴

大きなネズミのような姿で、オレンジ色の門歯と長い尾が特徴。南米原産で、水辺に生息し、農作物や水生植物に甚大な被害を与えます。

  • おすすめの狩猟方法
わな猟(はこわな、くくりわな)水辺や農地で被害が出ている場所にわなを設置して捕獲します。
銃猟(散弾銃・空気銃)水辺にいるところを狙撃します。比較的警戒心が低いこともあります。

まとめ

この記事では、日本の狩猟対象となる46種の鳥獣の中から、代表的な10種を厳選し、それぞれの特徴とおすすめの狩猟方法を解説しました。

銃猟、わな猟、網猟といった多様な手法が、対象動物の生態や生息環境に合わせて使い分けられることが理解できたと思います。これらの知識は、安全で責任ある狩猟を行う上で不可欠です。

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