
狩猟ナイフの1本目として「コンパニオン」が人気なのは知っているけど、「どうせ買うなら、長く使えて、所有感を満たせるモデルが欲しい」「実用性はもちろん、タフに使いたい」そう考えるハンターの方が、次に辿り着くのが、この「ガーバーグ」ではないでしょうか。
ガーバーグは、モーラナイフの130年以上の歴史で初めて「フルタング」構造を採用した、質実剛健なフラッグシップモデルです。
そこで今回は、モーラナイフ「ガーバーグ」が持つ魅力と、他モデルと比較した際の狩猟シーンにおける優位性について徹底的に紹介します。
モーラナイフ「ガーバーグ」の魅力|実用性・剛性・所有感の三拍子

画像参照:モーラナイフ ガーバーグ ブラックブレード スタンダード(C)
モーラナイフ「ガーバーグ」の最大の魅力は、「フルタング構造による圧倒的な剛性」「刃こぼれしにくい実用的な刃先」「所有感を満たす重量」という、ハンターが求める三拍子を揃えていることにあります。
例えば、刃厚2.5mmのコンパニオンでは躊躇してしまうような硬い広葉樹のバトニング(薪割り)も、刃厚3.2mmのフルタング構造であるガーバーグならばナイフがすぐに破損する心配をせずに使えます。
ガーバーグは、信頼できるタフなナイフとして、実用性と所有感の両方を満たしたいと考えるハンターにとって理想的な選択肢になるでしょう。
刃先は欠けにくいマイクロベベル
ガーバーグのブレードには、刃先に「マイクロベベル(小さな二次刃)」が施されています。これは狩猟現場でのハードな使用を想定し、刃先の耐久性を向上させるための設計です。
一方で、ユーティリティナイフによく採用されている「スカンジグラインド」は、刃のエッジを一定の角度で研いでいるため、非常に切れ味が鋭い反面、刃先が薄く繊細になりすぎて木材の節や獲物の骨に当たると刃こぼれしやすいという特性がありました。
ガーバーグは、刃の鋭さを活かしつつも、刃の先端にごくわずかな角度の「小刃(マイクロベベル)」を設けることで刃先の強度を向上させています。
フルタング構造の高い剛性
ガーバーグの最大の特徴は、モーラナイフ史上初となる「フルタング」構造の採用による、圧倒的な剛性と耐久性です。
「フルタング」とは、ブレード(刃)の鋼材が、ハンドルの形状そのままに末端まで一体で貫通している構造のことです。
コンパニオンなどが採用する「ナロータング」は、ハンドル内部で鋼材が細くなっているため、軽量化やコストダウンにつながりますが、極端な負荷には弱い側面があります。
ガーバーグのフルタング構造は、ナイフ全体がほぼ一本の鋼鉄の塊であるため、バトニングで硬い薪を割る、ナイフの背(スパイン)を叩く、あるいは緊急時に何かをこじ開けるといった高負荷な作業にも耐えられます。
所有感を満たせる
ガーバーグは、ハンターのギアとしての所有感も満たしてくれるナイフです。
前述のフルタング構造がもたらす重量感と刃厚3.2mmのブレードが放つ存在感、高い機能性がフラグシップの裏付けになっています。
例えば、ブレードの背(スパイン)は、角が鋭くエッジ加工されており、これはサバイバルやブッシュクラフト用途でファイヤースターターを強く擦って火花を散らすために設計されています。
また、シース(鞘)は伝統的なレザーシースモデルと、MOLLEシステムに対応し機能的に装備を拡張できる「マルチマウント」モデルが用意されており、自分のスタイルに合わせてカスタムを楽しめます。
高い機能性と手にした時の重みが所有感につながり、長く使い続けられるナイフになるでしょう。
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モーラナイフ ガーバーグ ブラックブレード スタンダード(C)
モーラナイフ「ガーバーグ」の他モデルとのスペック比較

画僧参照:モーラナイフ カンスボルハンティング
ガーバーグの立ち位置を明確にするため、よく比較対象になる「コンパニオン ヘビーデューティー(HD)」と「カンスボル」とのスペックを比較します。ガーバーグは「剛性」、カンスボルは「繊細さ」、コンパニオンHDは「コスト」の面でそれぞれ優れています。
ハンターがナイフに求める性能は、「獲物解体のしやすさ」「タフさ」「携帯性」「コスト」など多岐にわたります。ガーバーグが自分に最適かを知るには、これらの人気モデルとの違いを把握するのがいいでしょう。
以下に3モデルの主な違いをまとめます。
| 特徴 | ガーバーグ (Garberg) | カンスボル (Kansbol) | コンパニオン(Companion) |
|---|---|---|---|
| タング構造 | フルタング | ナロータング | ナロータング |
| 刃厚 | 約3.2mm | 約2.5mm | 約3.2mm |
| 刃の形状 | スカンジ(+マイクロベベル) | コンパウンドグラインド※ | スカンジグラインド |
| 重量(ナイフのみ) | 約170g | 約100g | 約101g |
| 価格帯 | 高 | 中 | 低 |
| 優位性 | 最高の剛性・耐久性 | 繊細な作業・軽量性 | 圧倒的コストパフォーマンス |
※コンパウンドグラインド:根本は2.5mm厚のスカンジ刃でタフに、先端は薄く研がれていて繊細な作業に最適。
上の表から分かる通り、「剛性」に全振りしたガーバーグはモーラナイフ唯一の「フルタング」であり、価格も高価になっています。
一方、カンスボルは刃厚2.5mmと軽量で、先端が薄いため解体などの繊細な作業に優れています。
コンパニオンHDは、ガーバーグと同じ刃厚3.2mmでタフながら、フルタングではないため安価かつ軽量です。
3モデルの比較表から、下記の選び方をおすすめします。
- コストはかかっても、破損を恐れない絶対的な信頼性と所有感を求めるならガーバーグ
- 解体のしやすさと軽さ、堅牢性のバランスを求めるならカンスボル
- とにかくコストを抑えてタフに使いたいならコンパニオン
ガーバーグを手がける北欧ブランド「モーラナイフ」とは?

画像参照:モーラナイフ ガーバーグ ブラックブレード スタンダード(C)
ガーバーグを生み出したモーラナイフ(Morakniv)は、17世紀頃から続く刃物製造の伝統が根づくスウェーデン中部のモーラ地方で創業した、130年以上の歴史(1891年創業)を誇る老舗ナイフブランドです。
モーラナイフはその伝統的なクラフトマンシップと、近代的な生産技術を融合させることで、高品質なナイフを世界中に提供し続けてきました。
元々は、地域の職人や労働者のための実用的な作業用ナイフを製造していましたが、その高い品質、使いやすさ、そしてコストパフォーマンスが評価され、世界のアウトドア愛好家へと広まりました。
その功績と品質が認められ、現在ではスウェーデン国王カール16世グスタフより「スウェーデン王室御用達」の認定を受けています。
モーラナイフ「ガーバーグ」を長く使うためのメンテナンス術
錆び防止・黒錆加工
ガーバーグには「ステンレススチール」と「カーボンスチール」の2モデルがあります。特にカーボンモデルを選ぶ場合、「黒錆加工」は錆び防止に非常に有効なメンテナンス方法といえます。
カーボンスチールは、ステンレスに比べて研ぎやすく鋭い刃がつきやすい反面、水分や血液、塩分に触れるとすぐに「赤錆」が発生します。
ステンレスモデルであっても、使用後は必ず水分と汚れを拭き取り、保管時には椿油やシリコンオイルを薄く塗布するという基本的な錆止めは重要です。
カーボンモデルのガーバーグを手に入れた際は、この黒錆加工を施すことで、錆びにくくできます。
研ぎ方
ガーバーグの切れ味を維持するためには、その特徴である「スカンジグラインドとマイクロベベル」を理解した研ぎ方が必要です。
ガーバーグ(特にステンレスモデル)は、刃先の耐久性を高めるために「マイクロベベル(小刃)」が付けられています。
一般的なスカンジグラインド(コンパニオンなど)のように、ブレードの傾斜(ベベル)全体を砥石に当てる「ベタ研ぎ」を行うと、このマイクロベベルが消えてしまいます。
① マイクロベベルを維持して研ぐ場合(耐久性重視)
ベタ研ぎはせず、刃先だけを砥石に当てます。一般的なナイフと同様に、ブレードを寝かせた角度(15〜20°程度)で、刃先(マイクロベベル)だけを研ぐことで、耐久性を維持したまま切れ味が復活します。
② ベタ研ぎでマイクロベベルを消す場合(切れ味・研ぎやすさ重視)
あえてベタ研ぎを繰り返し、マイクロベベルも研ぎ落として、刃先まで完全なスカンジグラインドにしてしまう方法もあります。こちらの方が刃の食い込みは鋭くなり、研ぐ作業も容易です。ただし、硬いものに当てると刃こぼれしやすくなるリスクは理解しておく必要があります。
自分の使い方に合わせて、研ぎ方を選択することが、ガーバーグを使いこなすコツです。
まとめ

画像参照:モーラナイフ ガーバーグ ブラックブレード スタンダード(C) ダーラレッドエディション
モーラナイフ「ガーバーグ」は、ブランド初のフルタング構造を採用することで、「圧倒的な剛性」と「実用性」、そしてハンターの「所有感」を高いレベルで満たしてくれる質実剛健なフラッグシップモデルです。
コンパニオンが「コストパフォーマンスと軽さ」に優れたナイフであるならば、ガーバーグは「コストをかけてでも絶対的な信頼性」を追求したナイフと言えます。
狩猟シーンにおいて、解体作業はもちろんのこと、バトニングによる薪割りなど、ナイフに高負荷がかかる場面でも壊れる心配をしなくて済むのは、他のモデルにはないガーバーグの強みです。
もしあなたが「コンパニオンの実用性は魅力だが、もう少しタフで、長く愛せる1本が欲しい」と考えているなら、この「ガーバーグ」は、その期待に完璧に応えてくれる選択肢となるでしょう。
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