ハンター不足の今こそチャンス?次世代の狩猟者を目指すべき理由と求められる役割

ハンター不足の今こそ最大のチャンス!次世代の狩猟者を目指すべき理由と求められる役割

国内におけるハンターの高齢化と共に、実際に猟をできるハンターが現場で不足している現状を皆さんはご存じでしょうか。

環境省によると、狩猟免許所持者は微増傾向にありますが、実際に現場で活動するハンターの高齢化が進み、減少の一途をたどっています。特にエゾシカやヒグマによる被害が深刻化する地域では、新たな担い手が切実に求められています。

しかし、このハンター不足は、これから狩猟を始める人にとっては、地域社会から「必要とされる存在」になれるかつてないチャンスでもあります。

なぜ今、ハンターが必要とされているのでしょうか。現状の課題と、これからの狩猟のあり方について徹底的に解説します。

ハンターが減少する3つの背景

ハンターが減少する3つの背景

日本のハンター不足には、構造的な3つの大きな壁が存在しています。これらが複雑に絡み合い、新規参入のハードルを高め、既存ハンターの引退を早めています。

背景①:深刻な高齢化と「技術継承」の断絶

現在、狩猟現場を支えているボリュームゾーンは60代以上のシニア層であり、若手への技術継承が危機的状況にあります。

環境省の統計(狩猟免許所持者の年齢構成)を見ても、60歳以上の割合が圧倒的に高く、現場の実働部隊が高齢化しています。体力的な限界や引退に伴い、長年培われてきた「山を見る目」や「安全管理のノウハウ」が次世代に引き継がれないまま失われつつあります。

例えば、地元の猟友会では「平均年齢が70歳を超え、若手が一人もいない」という支部も珍しくありません。集団猟(巻き狩り)において、勢子(獲物を追い出す役)ができる体力のある人がおらず、猟自体が成立しなくなるケースが増えています。

このままでは、あと数年で日本の狩猟システム自体が崩壊する恐れがあり、若手ハンターの参入が急務となっています。

背景②:金銭的負担と「割に合わない」現状

狩猟を続けるための維持費が高額である一方、それに見合うリターンが少ないことが離脱の原因となっています。

銃を所持し維持するには、銃の購入費だけでなく、警察への申請手数料、火薬類の譲受許可、狩猟税、猟友会費、そして射撃練習の費用など、年間で数十万円規模の出費が必要です。しかし、駆除報奨金やジビエの買取価格は地域によって低く抑えられており、経済的なメリットを感じにくいのが現状です。

実際に「報奨金だけではガソリン代と弾代で赤字になる」という声は多く聞かれます。特に初心者の場合、獲物を獲れない期間もコストがかかり続けるため、経済的な負担に耐えきれず銃を手放すケースが後を絶ちません。

「趣味」として割り切るには負担が重く、「仕事」にするには収益性が低いというジレンマが、ハンター定着を阻んでいます。

背景③:厳格化する規制と「ペーパーハンター」の増加

近年のアウトドア・ジビエブームで免許取得者は増えていますが、実際に猟に出ない「ペーパーハンター」が増加しています。 免許取得後の「銃所持許可」の審査が厳格であることや、初心者が独力で猟場を開拓するハードルの高さから、免許を持っていても活動できない人が全体の約6割に達するとも言われています。

ハンター不足が浮き彫りにする、地域社会の危機とこれからの狩猟

ハンター不足が浮き彫りにする、地域社会の危機とこれからの狩猟

これまで見てきたように、日本の狩猟界は高齢化や経済的・物理的ハードルといった複合的な理由により、現場で実働できるハンターの数が減少の一途をたどっています。しかし、この影響が最も色濃く、かつ深刻な形で現れているのが、農林水産業や私たちの生活圏を守る「有害鳥獣駆除」の最前線です。

特にエゾシカやヒグマといった大型獣による被害が甚大化する中、ハンター不足は単なる「趣味の衰退」にとどまらず、「地域社会の安全に関わる危機」へと発展しています。そして、これまでその重責を担ってきた既存のシステム自体が、今まさに大きな転換期を迎えているのです。

限界を迎える「ボランティア依存」の有害駆除

ハンター不足が叫ばれる中、最も深刻なのが公共性の高い「有害鳥獣駆除」の現場です。これまでは地元ハンターの「奉仕精神」に大きく依存してきましたが、そのシステムはすでに構造的な限界を迎えています。

現場のリアル:対価が見合わないという議論

早朝や深夜の出動、ヒグマやエゾシカといった大型獣への対応など、危険と重労働を伴う捕獲作業に対して、現在支払われるのは「報奨金」や「出動手当」程度に留まることが少なくありません。 

銃の維持管理費や弾代、車両のガソリン代などを差し引くと、実質的な赤字になるケースも多く、「公共性のある重要な活動であるにもかかわらず、対価が見合っていない」という議論が各地で起きています。

高齢化したハンターへの害獣駆除の要請が困難になっており、農作物被害が増えても出動要請に対応しきれない地域が増加しているのが現状です。

求められる持続可能な仕組みと次世代の担い手

この問題を解消するためには、地域課題として対応したハンターには適切な対価が支払われる持続可能な仕組みづくりが不可欠です。

そして今、地域社会が求めているのは、確実に害獣の捕獲・駆除を遂行できる確かな技術を持った次世代のハンターです。地域の課題解決に貢献できるハンターになれれば、これからの社会において極めて重要な存在となるでしょう。

自治体の動きとジビエ産業の成長がハンター不足解消の追い風になるか

自治体の動きとジビエ産業の成長がハンター不足解消の追い風になるか

ハンター不足と鳥獣被害の深刻化を受け、自治体は現在、新規参入者向けの支援制度の整備を進めています。また、飲食店では安定供給の難しさや仕入れコストの高さが課題となっているものの、近年のジビエ産業の成長がハンター不足解消への追い風となるかもしれません。

ハンター育成・補助金制度による初期費用の軽減

ハンター参入の壁となっていた「金銭的負担」への対策として現在、全国の多くの自治体が新規ハンター育成のために補助金を導入しています。

例えば北海道札幌市でも「鳥獣被害防止対策ハンター支援事業」を設け、狩猟税や登録手数料、保険料などの補助を行っています。こうした支援制度を活用すれば、高額と言われる初期費用や維持費のハードルを下げることができます。

広がる「ジビエ産業」としてのビジネスチャンスと市場の急成長

「ジビエ」の市場は、現在右肩上がりで拡大しています。有害鳥獣捕獲推進の取り組みとも相まって、ジビエの販売額は過去7年間で約1.8倍に増加し、令和4年度には約39億円規模に達しました。

国は令和7(2025)年度までに4,000トンへの拡大を目標に掲げています。特に被害が深刻なエゾシカをはじめとするシカ肉は需要が非常に高く、市場成長を力強く牽引しています。

現在のジビエは、安く大量消費される食材ではなく、「付加価値の高い特別な食材」としての普及が中心です。こだわりの飲食店での導入が進むだけでなく、無添加の高品質なペットフードとしての需要も急増しており、関連事業全体の市場拡大につながっています。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)野生鳥獣資源利用実態調査

https://www.e-stat.go.jp/statistics/00500248

農林水産省「ジビエ利用の推進(ジビエポータル)」

https://www.maff.go.jp/j/nousin/gibier/

まとめ

ハンター不足は日本の地域社会にとって深刻な課題ですが、見方を変えれば、これから参入するあなたにとっては「必要とされる存在」になれる大きなチャンスです。

  • 高齢化による担い手不足: 実働できる若手・中堅ハンターの価値がかつてないほど高まっている。
  • 構造の変化: ボランティア依存の限界から、より持続可能で社会的な役割へと狩猟のあり方が見直されつつある。
  • ビジネスの広がり: ジビエ需要の拡大により、狩猟を通じた新しい収益モデルが確立しつつある。

今こそ、ペーパーハンターを卒業し、あるいは一から免許を取得して、日本の自然と地域社会を守る「次世代のハンター」を目指してみませんか?相棒となる猟銃を見つけることが、その第一歩となるはずです。

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