
冬の狩猟は、厳しい寒さ、そして予測不能な山の環境との戦いです。適切な服装は、あなたの命を守り、狩猟の成功を左右する重要な要素となります。
今回は、冬の狩猟で寒さ・機動性・安全性のすべてを兼ね備えるための服装選びを徹底解説します。初心者の方はもちろん、経験者の方も改めて自身の装備を見直すきっかけにしてください。
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冬の狩猟は服装がカギを握る
狩猟期は基本的に冬であり、平野部に獲物は少ないため、活動の多くは山野になります。この時期の気温は、時にマイナス5度を下回ることも珍しくありません。
狩猟の服装選びで最も重要なのは、「安全性」「体温管理」「動きやすさ」の3つです。どれか一つでも欠けると、命の危険にさらされたり、せっかくの獲物を逃してしまったりする可能性があります。
特に、他のハンターからの誤射を防ぐための視認性の高い服装は必須です。獲物であるシカやイノシシは、人間が見て目立つオレンジや黄色を識別できないため、これらを積極的に活用しましょう。
ハンターが抱える冬服装の共通課題
冬の狩猟は、ただ寒いというだけでなく、特有の複雑な課題がつきものです。
冬の狩猟は、激しい温度変化と向き合うことになります。
- 寒さ
マイナス5度を下回る気温の中、じっと獲物を待つ時間は非常に体が冷えます。特に、獲物を捕獲した後の解体作業は立ち止まって行うため、手足の冷えが厳しくなります。
- 汗冷え
一方で、山を歩き回っていると予想以上に体が温まり、大量の汗をかきます。汗をかいたまま休憩に入ると、わずか5〜10分で一気に体温が奪われ、震え始めることもあります。これが「汗冷え」です。
- 動きづらさ
寒さ対策として厚着をしすぎると、枝やツルに引っかかりやすくなったり、動きが鈍くなったりして、機動性が損なわれます。
この「寒さ」「汗冷え」「動きづらさ」の三重苦をいかに解決するかが、冬の狩猟における服装選びの最大のポイントです。
冬の狩猟で最も避けたいのが、防寒のために機動性を犠牲にすることです。しかし、適切なレイヤリングと素材選びをすることで、これらを両立させることは十分に可能です。
冬の狩猟服装の基本レイヤリング
冬の狩猟では、重ね着(レイヤリング)が基本です。以下の3つの層を意識してウェアを選びましょう。
- ベースレイヤー(肌着)
汗を素早く吸収し、肌から遠ざける役割。汗冷えを防ぐ最も重要な層です。
- ミドルレイヤー(中間着)
体の熱を閉じ込め、保温性を確保する役割。フリースやトレーナーなどが該当します。
- アウターレイヤー(上着)
風や雨を防ぎ、外気の侵入を防ぐ役割。防水性や撥水性、そして視認性が重要です。
特にベースレイヤーには、網シャツがおすすめです。汗をかいても直接肌に触れないため、休憩時の急な冷え込みを効果的に防いでくれます。
男女別の服装選びのポイント
狩猟の服装は、男女で大きな違いはありませんが、体格や体質に合わせた細かな配慮が快適な狩猟を可能にします。
男性ハンター向け
- 頭部
単独猟でもニット帽などの帽子を着用し、保温性と安全性を確保しましょう。
- 上半身
長袖シャツ、トレーナー、ジャンパーの重ね着が基本です。モールメッシュベストはポケットを拡張でき、弾薬や道具を収納するのに便利です。
- 下半身
厚手のジャンパーを着ていても、ズボンが薄いと下半身が冷えます。冬の猟ではステテコを通常装備とし、その上から作業ズボンや、状況に応じてウィンドブレーカーやカッパを重ね着しましょう。
女性ハンター向け
近年、狩猟の世界に足を踏み入れる女性が増え、専門の女性ハンター向けウェアも増えてきました。
- サイズ感
女性は男性よりも寒さを感じやすい場合があります。体にフィットしすぎないよう、ワンサイズ上のウェアを選ぶとレイヤリングがしやすくなります。
- 専用ウェア
防寒性と機動性を両立させた、女性の体型に合わせた専用の狩猟ウェアも販売されています。
冬の狩猟服装で失敗しないために
失敗例 | 対策 |
---|---|
自然に溶け込む色の服装 | シカやイノシシは色を識別できないため、人間が視認しやすいオレンジや黄色のウェアを必ず着用する。 |
汗冷え対策の不足 | ベースレイヤーに吸湿速乾性の高い機能性インナー(ミレーなど)を着用する。 |
音の鳴る素材の着用 | 忍び猟では、獲物に気づかれないよう、シャカシャカ音の鳴るナイロン素材は避け、ピーチスキンなどの静かな素材を選ぶ。 |
厚着しすぎること | 行動を始める前にベンチレーションを開けるなど、**「暑くなる前に暑さ対策」**を心がける。 |
獲物処理時の冷え | 獲物処理は立ち止まって行うため、暖かい靴や手袋で手足の防寒を徹底する。スパイク長靴は滑りにくく、寒さも感じにくいのでおすすめです。 |
狩猟を始めたばかりのときは、いきなり高価な装備を揃える必要はありません。まずは先輩ハンターに相談し、安価なものから試すとよいでしょう。タオルを数枚持っていくと、汗を拭くのに非常に便利です。
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