エゾシカ猟がメインなら308winライフル実包がおすすめな理由

エゾシカ猟がメインなら308winライフル実包がおすすめな理由

北海道の広大な大地でエゾシカを追うハンターにとって、まず最初は、どの口径のライフルを選ぶべきかで悩むのではないでしょうか。

ライフル所持許可を得たばかりの方や、予算を抑えつつも信頼できる中古銃を探している方にとって、実包選びは猟果だけでなく、その後の維持費にも関わってきます。「せっかくのライフルだから威力の強いマグナム弾がいいのか」「それとも扱いやすさを優先すべきか」と迷うのも当然です。

この記事では、北海道のフィールドを知り尽くしたプロの視点から、なぜエゾシカ猟において.308 Winchester(以下308win)が合理的で、多くのハンターに信頼されているのかを解説していきます。

なぜ北海道のエゾシカ猟で308winが選ばれるのか

なぜ北海道のエゾシカ猟で308winが選ばれるのか

結論としては、北海道の多様な地形とエゾシカの個体差に最も柔軟に対応できるからです。

北海道の猟場は、300m超のロングレンジが求められる牧草地から、視界の遮られた林内での忍び猟まで千差万別です。308Winは、7.62NATOが軍・警察の狙撃用として長年採用されてきた実績があり、その弾の民間バージョンとなります。7.62NATOと308Winは厳密に言うと形が若干異なるのですが、その近い素性の308Winは極めて高い命中精度を誇ります。また、強力すぎるマグナム弾に比べて銃自体を軽量・コンパクトに設計できるため、雪深い山中を歩き回る北海道のハンティングスタイルにマッチします。

実際に、全国の銃砲店で取り扱うライフルの多くがこの口径であり、新銃・中古銃ともに選択肢が非常に豊富であることも、多くのハンターに選ばれる決定的な理由となっています。

エゾシカ猟に求められる「遠距離精度」と「携行性」のバランス

308winは、遠距離での精度と持ち運びやすさを高い次元で両立しています。

エゾシカ猟では、獲物を発見してから数百メートル移動して射撃する場面があります。この際、308winは短い銃身でも十分な性能を発揮し、銃全体を軽く仕上げることが可能です。「300ヤード(約274m)までは弾道落下が計算しやすい」という特性は、エゾシカの有効射程をほぼ全域カバーしており、外せない一発を支えてくれます。

北海道の忍び猟から流し猟までをカバーする汎用性

この口径の魅力は、北海道特有の猟法すべてに適応できる点にあります。

深い雪の中も歩く忍び猟では軽快な取り回しが求められますが、308winならストレスなく運用できます。また、中古銃市場においても308winのボルトアクション銃は最も流通量が多く、予算を抑えたいハンターにとっても、状態の良い名銃に出会える確率が高いというメリットもあります。

308winの圧倒的なコスパ

308winの圧倒的なコスパ

308winを強く推す理由は、維持費を抑えつつ、最大限の練習量を確保できる点にあります。

結局のところ、狙い通りに命中させる射撃自体の習熟度がなければ、高価な銃は宝の持ち腐れです。308winは他の口径に比べて実包価格が安価であり、射撃場での練習コストを大幅に抑えられます。

銃身寿命の差

ライフル銃には「銃身寿命」があり、撃てば撃つほど精度は低下しますが、308winはこの寿命が長いのも特徴です。

.300WMなどの高威力のマグナム弾は、火薬量が多いので爆発力が強く、弾速も高速になる為銃身を劣化させやすく、約3000発ほどで精度低下が始まると言われています。一方で308winは、適切な清掃を行えば5,000発以上、高い精度を維持することが可能です。長く使い込めるだけでなく、将来的に銃を買い替える際の査定にも有利に働きます。

練習環境を確保しやすい

世界的に普及している口径のため、安価な練習用実包から、北海道の規制に対応した高性能な非鉛銅弾まで選択肢が豊富です。

練習代が高いからと射撃場から足が遠のいては、射撃の腕も上達しません。安価に、かつ安定して弾を入手できる308winは、射撃技術を磨き続けたいハンターにとっても合理的な口径と言えます。

308winはエゾシカを撃ちやすく取り回しがいい

308winはエゾシカを撃ちやすく取り回しがいい

308winは反動が比較的小さく、正確に射撃しやすい口径でもあります。

ライフルの命中率を下げる要因の一つが、発射時の衝撃を恐れて無意識に体が動く「ガク引き」です。308winの反動は適度で制御しやすく、射手が落ち着いて狙いを定めることができます。また、ショートアクションという機構上の恩恵により、操作性も極めてスムーズです。

ショートアクションの恩恵

308winはショートアクションと呼ばれる、アクション長の短い機関部を使用します。

これにより、ボルトを引く距離が短くなり、素早い次弾装填が可能になります。エゾシカが複数頭いる場合や、初弾を外した際のリカバリーにおいて、ボルトストロークの短さは僅かにも感じますがアドバンテージとなります。また、機関部がコンパクトな分、銃全体の軽量化にも繋がります。

弾道特性

308winの弾道は非常に素直で、実戦距離において予測しやすいのが特徴です。

150グレイン前後の弾頭を使用した場合、100mから200mの間で着弾が大きく上下することはありません。過度なパワーを追わず、人間がコントロールできる範囲で最大の精度を追求する。このバランスの良さが、動くエゾシカを的確に捉えるための大きな助けとなります。

ヒグマに対する308winの注意点

ヒグマに対する308winの注意点

エゾシカ猟において非常に優秀な308winですが、北海道のヒグマに対するストッピングパワーの限界は意識しておく必要があります。

北海道で山に入る以上、ヒグマとの遭遇リスクはゼロではありません。308winでもヒグマを倒すことは可能ですが、300kgを超えるような大型個体や、こちらに向かってくる興奮状態のクマを瞬時に止める力としては、決して余裕があるとは言えません。

ヒグマには威力不足の可能性も

308winのエネルギー量は、中大型獣用としては標準的な立ち位置です。

急所に命中させれば致命傷を与えられますが、マグナム弾のような圧倒的な衝撃力はないため、一撃で動きを止められず反撃を受けるリスクを考慮しなければなりません。

ヒグマに通用する実包の最低ラインが308winと言われており、ヒグマを手負いにしないためには精密な射撃と冷静な状況判断が不可欠です。

世界基準は.338 Win Mag以上の高威力弾

アラスカなど大型のクマが生息する地域のガイドが推奨する「対クマ用」の基準は、.338 Winchester Magnum以上とされています。

エゾシカ猟のみなら308winがベストですが、ヒグマを撃つのなら308winよりも重い弾頭の実包も視野に入れるべきです。

目的別・ライフル実包選択の判断基準

口径おすすめのハンター像
308winエゾシカをメインとし、練習を重ねて研鑽したい方。
.30-06重い弾頭を運用し、ヒグマへの対応力も上げたい方。
.300WM400m超の遠距離狙撃や、大型獣への圧倒的パワーを優先したい方。

まとめ:エゾシカ猟を軸にするなら308win

北海道でエゾシカ猟を軸とするのであれば、弾の入手性、銃身の寿命、精度の出しやすさを考慮して308winを使うのは理にかなった選択です。

まずは徹底的に射撃練習を行い、フィールドで一頭でも多くの獲物と対峙して射撃そのものの技術を磨いていきましょう。実戦で落ち着いて引き金を引くためには、日頃から自分の銃と弾の特性を身体に覚え込ませておくことが何より大切です。

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