狩猟の必需品「スリング(負い革)」の選び方と使い方

狩猟の必需品「スリング(負い革)」の選び方と使い方

広大なフィールドを歩き回る狩猟において、愛銃を安全かつ快適に携行するために不可欠なのが「スリング」、日本語では「負い革(おいがわ)」と呼ばれるアクセサリーです。

射撃競技ではあまり馴染みがありませんが、重い銃を長時間持ち運ぶ狩猟では、このスリングの有無が疲労度に大きく影響します。

ここでは、狩猟におけるスリングの重要性から、種類、選び方、そして取り付け方までを詳しく解説します。

スリング(負い革)とは?狩猟での役割

スリングは、銃を肩や背中に担いで持ち運ぶための紐のことです。平均3kgにもなる銃を長時間手で持ち続けるのは、想像以上に疲れる作業です。スリングを使うことで、両手が自由になり、地形の悪い場所での移動や、他の道具を運ぶ際に非常に役立ちます。

しかし、その必要性は狩猟スタイルによって異なります。例えば、車での移動がメインとなる「流し猟」では、銃を携行する時間が短いため、スリングの必要性は比較的低いかもしれません。一方で、広範囲を歩き回る「巻き狩り」や、獲物の足跡を追う「忍び猟」など、徒歩での移動が多い猟法では、スリングはまさに必需品と言えるでしょう。

▶スリングの素材と特徴

スリングの素材には、主に「革製」と「樹脂製(ネオプレンなど)」があります。

  • 革製スリング: 使い込むほどに柔らかく手に馴染み、独特の風合いが増します。経年変化を楽しめるのが魅力です。
  • 樹脂製スリング(ネオプレンなど): 雨や水に強く、耐久性に優れています。悪天候下での使用や、手入れのしやすさを重視する方におすすめです。

スリングの選び方

スリングには様々な種類があり、どれが最適か一概には言えませんが、ご自身の狩猟スタイルや銃に合わせて選ぶことが重要です。

①スリングの種類

主なスリングの種類としては、「ライフルスリング」「デュアルスリング」「サファリスリング」などがあります。

  • ライフルスリング: 最も基本的なタイプで、一本の帯状の紐で構成されます。シンプルで汎用性が高く、初心者にもおすすめです。
  • デュアルスリング: 複数のストラップで構成され、より安定した携行が可能です。
  • サファリスリング: 特に大型の銃や、素早い構え直しが求められる状況で用いられることがあります。

②初心者におすすめは「ライフルスリング」

もしスリング選びに迷ったら、まずは基本的なライフルスリングを試してみることをおすすめします。シンプルで扱いやすく、多くの狩猟シーンで十分な機能を発揮します。

スリングの取り付け方法と注意点

スリングを取り付けるためには、銃側に「スリングスイベル(負い環)」と呼ばれる専用の部品が必要です。このスリングスイベルにスリングを結び付けて使用します。

①スリングスイベルの種類と取り付け方

スリングスイベルにはいくつかの種類があり、銃への取り付け方法も異なります。

  • スイベルスタッドタイプ: 最も一般的なタイプで、ビスを銃床に直接ねじ込んで装着します。多くの場合、銃床にネジ穴を開けて取り付けます。
  • アクセサリーレール対応タイプ: 最近の銃には、アクセサリーレールが標準装備されているものも多く、そこにスリングスイベルをかみ合わせるタイプもあります。
  • 銃床に穴を開けずに取り付ける方法: 一部の銃やカスタムパーツでは、銃床に穴を開けることなくスリングスイベルを取り付けられる製品も存在します。

②取り付け時の重要事項

スリングを取り付ける際は、フックが外れないよう細心の注意を払う必要があります。万が一、銃が外れて落下した場合、暴発につながる危険性があるため、確実な取り付けを心がけてください。不安な場合は、銃砲店などの専門家に相談して取り付けてもらうのが安心です。

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