
狩猟で対象となる鳥とは?
日本に生息する約550種の鳥類と約80種の獣類(モグラ・ネズミ類、海棲哺乳類を含めると約160種)の中から、狩猟の対象として認められているのは、資源性(肉や毛皮の利用など)、生活環境・農林水産業・生態系への害の程度、個体数などを考慮して選定された合計46種です。内訳は狩猟鳥類26種、狩猟獣類20種となります。
以下に、狩猟鳥類として定められている種の一部を紹介します。
▶狩猟鳥類(一部)
- キジ科:エゾライチョウ、ヤマドリ(亜種コシジロヤマドリを除く)、キジ(亜種のコウライキジを含む)、コジュケイ
- カモ科:ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ
- ハト科:キジバト
- ウ科:カワウ
- シギ科:ヤマシギ(アマミヤマシギは別種)、タシギ
- カラス科:ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
- ヒヨドリ科:ヒヨドリ
- ムクドリ科:ムクドリ
- スズメ科:ニュウナイスズメ、スズメ
狩猟鳥と誤認されやすい非狩猟鳥もいますので、くれぐれもご注意ください。見分け方については、こちらの資料で詳しく解説されています。
鳥を狩猟する方法と道具
鳥の狩猟には、主に銃器や網が用いられます。日本における狩猟は、法律によって使用できる道具や方法、そして対象となる鳥獣が厳しく定められており、狩猟方法は大きく分けて「銃猟」(散弾銃・エアライフル)と「網猟」があります。
①「散弾銃」
散弾銃は、日本の狩猟において最も一般的で汎用性の高い銃器の一つです。複数の小さな弾(散弾)を発射するため、飛んでいる鳥を狙うのに適しています。
使用する散弾の種類を変えることで、小型の鳥から大型の鳥まで対応可能です。散弾銃による鳥猟は、飛翔するカモなどを狙う鴨撃ちが代表的です。
②「エアライフル」
エアライフル(空気銃)は、圧縮空気の力で単一の弾を発射する銃器です。主に中・小型の鳥獣の狩猟に用いられます。散弾銃とは異なり、単発での射撃となるため、飛んでいる鳥に当てるのは非常に難しいとされています。そのため、エアライフルによる鳥猟は、木や地面に止まっている鳥(居鳥)を狙うのが一般的です。
エアライフルの威力は、一般的なエアガンよりもはるかに強力ですが、散弾銃と比較すると発射音が小さく、狩猟できるエリアが広がるというメリットもあります。
③「網猟」
網猟は、その名の通り網を使って主に鳥類を捕獲する猟法です。空を飛ぶ動物が相手となるため、非常に慎重な計画と実行が求められる、まさに動物との知恵比べの世界です。カモ、カラス、ウサギなどが主なターゲットとなります。
他の狩猟方法に比べて特別な道具が少なく、猟師としての腕が成果に直結する、シビアでありながらも奥深い狩猟方法と言えるでしょう。
鳥の狩猟後の処理(鴨を例に)
鴨を獲った後は以下の処理を行います。
- 羽を毟る
- 翼の先と足、頭を切断する
- 腸を抜く
可能であれば以上の処理を野外で行うことをおすすめします。野鳥の腸内には鳥インフルエンザなど病原体が有る可能性があるため、キッチンに持ち込まないようにしましょう。
注意点としては、保存する際水洗いをしないことです。内臓を抜いた状態の鴨肉に水道水をかけると、菌が繁殖し腐敗が進んだり病原菌が周囲に飛び散る原因となります。
基本的にはその日のうちに消費することを念頭に処理し、どうしても保存が必要な場合は腸を抜き洗わないまま冷蔵庫(チルド室)で保管するようにしましょう。
弾が腸を貫通している場合は、腹腔内を水で洗い流しその日のうちに調理することをおすすめします。
狩猟のギモン、YouTubeでお答えします
シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。
「鹿を仕留める時のコツはある?」
「銃の値段が違うと何が違うの?」
「そもそも銃砲店の店内ってどんな感じなの?」
上記のような、実際のお客様から寄せられた質問に対し、動画でお答えしています。他のチャンネルには中々ない、現場のギモンも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
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