空気銃(エアライフル)とは?仕組みや使う場面と使い方、オススメの銃まで銃砲店が一挙解説!

一般的に「空気銃」と聞くと、BB弾を飛ばす「エアガン」をイメージする方も多いと思います。しかし、今回紹介する空気銃は、所持許可が必要で狩猟にも使う高威力のもの。言わば、「本物の銃」です。

今回は、空気銃に興味をお持ちの方向けに仕組みから使う場面、使い方とオススメの銃を紹介します。

狩猟に興味がある人にはもちろん、射撃を楽しみたい人にもオススメの銃のため、一つひとつ見ていきましょう。

まずは、空気銃の使用目的ついてご紹介します。

空気銃(エアライフル)は、主に狩猟で使用する

空気銃は主に狩猟で使用します。また、エアライフル射撃という競技もあり、オリンピック種目にもなっていることからご存知の方も多いのではないでしょうか。

狩猟面では、大きく以下の動物を対象として行われます。

  • 鳥類(キジ・ヒヨドリ・カラスなど)
  • 罠にかかった獣類(シカ・イノシシなど)のとどめをさす

では、空気銃にはどういったものがあるのでしょうか?次の項目で紹介します。

空気銃(エアライフル)の種類と仕組み

空気銃の仕組みは、方式により異なります。先に種類を見ておきましょう。

  • プレチャージ式
  • スプリング式
  • ポンプ式
  • ガスカートリッジ式

では、それぞれの仕組みと特徴、メリット・デメリットを解説していきます。

プレチャージ式

プレチャージ式は空気銃の中で最も威力が高く、人気の方式です。自転車の空気入れのようなハンドポンプか、スキューバーダイビングで使用するようなエアタンクを使用して空気を銃のタンクの中に封じ込めます。

メリットは威力が高く、物によっては小口径の実弾ライフルに迫る威力を持つものもあります。昔のプレチャージ式は減圧によって飛び方が異なるという難点がありましたが、最近では「エアレギュレーター」の登場により安定した射撃ができるようになりました。

デメリットは維持費が高いこと。エアタンクへの再充填は200気圧で約3000円~と、撃つためのお金が必要になります。また、他の方式よりも空気圧がかなり高いので、エア漏れ不具合も他の方式より躊躇です。定期的なメンテナンス(3年に1度のオーバーホール)をお勧めします。

維持費も含めると高価な銃ですが、デメリット以上の楽しさがあるためちょうりょうをする方を中心に人気の銃です。

スプリング式

スプリング式はエアガン(玩具銃)と同じ仕組みで、バネ(スプリング)を縮めた状態から一気に解放して弾を発射する方式です。

常に同じ力で弾が発射される点や、構造が単純で故障が少ない点がメリットと言えます。

しかし、バネの反作用やピストンがシリンダーを叩く際、照準がブレてしまう点には注意が必要です。

ポンプ式

マルチストローク式とも呼ばれる方式で、本体レバーを複数回ポンプしチャンバー内に空気を圧縮、引き金を引くことで一気に開放し弾を発射します。ちょっと高価な水鉄砲やペットボトルロケットと同じ原理ですね。

メリットはポンプの回数によって威力を調整できること。特に重い弾を発射する際にはポンプ回数を増やし、勢い良く発射して威力を更に上げるということができます。

デメリットは何回もポンピングしなければならないこと。狩猟では一発二発で終わることはほとんど無いため、中々の重労働になります。また、ポンプの回数により弾道が変わるので、中遠距離のスコープを使った狙撃にも向いていません。

ガスカートリッジ式

ガスカートリッジ式は携帯型のガスボンベを装着する方式です。液体ガスが封入された炭酸ガスカートリッジをタンクに入れ、蓋を閉めるとタンク内にガスが充填。引き金を引く度にガスが開放され、弾を発射します。

メリットは、連射できること。セミオート感覚で弾を撃てます。モデルガンのガスブローバックを使っている人はイメージしやすいのではないでしょうか。

デメリットはやはりお金がかかること。カートリッジは1本約200円で、15発程度撃てます。つまり、15発ごとに200円かかるというわけです。また、ガス圧によっても着弾点が大きく変わるため、狙いをつけることが難しいです。

この中でも一番のオススメは「プレチャージ式」の空気銃です。

空気銃(エアライフル)の使い方

ここでは、空気銃の使い方を見ていきましょう。最も人気の「プレチャージ式」を例にして解説させていただきます。

空気の充填

ハンドポンプ、もしくはエアタンクを使用し空気を充填させていきます。プレチャージ式の銃は銃側に空気の残圧メーターが付いていますので、メーターを見ながら満タンまで空気を入れていきます。

注意点として、空気を入れた後は必ずポンプのバルブを緩めて空気を逃がしてからコネクタを引き抜きましょう。空気を逃さずにコネクタを外すと、破裂音と共にコネクタが高速で飛んできて怪我をします。

余談ですが、昔は弾道が安定する「美味しい空気圧」がありました。しかし最近の銃では、レギュレーターが装備されているので、最大まで空気圧を入れても安定して射撃をすることができます。

マガジンに弾を装填

次に、マガジンに弾を込めます。1発目のみ装填方法が異なるので注意しましょう。

【1発目】

【2発目以降】

注意点としては、マガジンは獲物を見つけて発砲するまでセットしてはいけません。家でできるのはあくまで「マガジンに弾を装填する」ところまでです。

※お持ちになっている空気銃によって細部が異なる場合があります。詳しくはお手持ちの銃の説明書をご覧ください

実はエアライフルには6種類の弾があります。初心者は迷わず「ラウンドノーズ型」の使用がオススメですが、注意点もありますので一度以下の記事もご覧ください。

空気銃の弾の種類・特徴・弾道や弾の速さを銃砲店が徹底解説

射撃方法

山に入り、獲物を見つけてマガジンを差し込みます。手順は以下の通り。

  1. セーフティがかかっていることを確認する
  2. マガジン挿入部のレバーを引く
  3. 向きを確認してマガジンを差し込む
  4. 獲物と周囲の安全を確認する
  5. レバーを戻し装填する
  6. セーフティを解除し、射撃をする

注意点としては、「二重装填」をしないこと。弾を装填したあと、鳥を撃てずにマガジンを外し、再び獲物を見つけて「弾が入っているのに」装填してしまうことがあります。二重装填をすると、銃が壊れる可能性があるので注意しましょう。

また、エアライフルは装填後に弾を抜くことが難しいため、確実に鳥を撃てる時のみ装填することが大切です。

狩猟後のメンテナンス

狩猟後のメンテナンスでは、「クリーニングペレット」を使用します。これは、掃除用の弾で、2、3発発射することで銃口内の汚れを除去できるというものです。

散弾銃であればクリーニングロッドを使用しますが、空気銃は傷がつきやすいためクリーニングペレットを使うようにしましょう。

銃身以外の金属部分やゴム部分は水分を拭き取り、シリコン系のオイルやグリスを塗りましょう。

注意点としてはプラスチック部分やゴム部分に「556」などの石油系オイルを使わないこと。樹脂を溶かして割れ・故障の原因になります。

保管前には必ず残圧があることを確認する

メンテナンス後はガンロッカーに銃を戻しますが、この時必ずライフル内に残圧(空気圧)があることを確認しましょう。空気圧が全て抜けた状態で保管をすると、タンク内のリリーフバルブが働きポンプで空気充填が出来ません。(エアタンク等でないと入れることができません)

また、エアライフルは湿気に弱いので除湿剤を入れることも忘れずに。

空気銃(エアライフル)のメリット・デメリット

では、散弾銃と比較した時の空気銃のメリット・デメリットについても見ていきましょう。

メリット

空気銃のメリットは以下の通りです。

  • 精密射撃ができる
  • 散弾銃に比べ費用が安い
  • 比較的資格取得や手続きが簡単
  • 見た目がかっこいい

一つひとつ見ていきましょう。

メリット1.精密射撃ができる

プレチャージ式の空気銃であれば、スコープをつけての精密射撃ができます。風と距離を読みながら、僅か2cm程度の鳥の頭に命中させるには知識と経験が必要で、決まった時の嬉しさはひとしおです。

メリット2.散弾銃に比べ費用が安い

後ほど詳しくお話しますが、空気銃であれば散弾銃よりも約30,000円ほど安く始めることができます。

また、弾についても費用が安く、散弾実包は一発「50円」前後、ハーフライフルでサボットスラッグを使用すると一発「900円」前後かかります。これに対して空気銃は一発「10〜20円」あたりと半額以下のため、リーズナブルに射撃ができるんです。

メリット3.比較的資格取得や手続きが簡単

空気銃は所持許可に加えて、「第2種銃猟免許」で狩猟ができます。第1種免許との違いは「教習射撃」が無いため、ここで約30,000円の費用が浮きます。

後々散弾銃猟もやってみたい人には第1種がオススメですが、空気銃猟しかやらないという人は第2種銃猟免許でOKです。

資格について詳しくは以下の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。

空気銃を持つだけなら免許不要、ただし「所持許可」が必要です!取得方法や必要書類について解説します

メリット4.見た目がかっこいい

空気銃は散弾銃と比べて見た目が近代的なものが多いです。クラシカルな見た目が好きな方には散弾銃がオススメですが、「FAMAS」や「P90」など近未来的なデザインが好きな人には空気銃がオススメです。

特にハッサンの「ヘラクレスバリー」はかっこいいですよ!

 

次にデメリットも見ていきましょう。

デメリット

空気銃のデメリットは以下の通りです。

  • 銃によっては弾道が安定しない
  • 新品は銃自体が高い
  • ランニングコストがかかるものがある
  • 散弾銃と比べ威力は弱い(クマ撃ちやシカ撃ちは不可能)

デメリット1.銃によっては弾道が安定しない

今回紹介した中だとポンプ式の空気銃や、ガスカートリッジ式、「レギュレーター」が付いていないプレチャージ式の空気銃は弾道が安定しないものがあります。

勢い良く飛びすぎたり、撃つほど弾が手前に落ちたり。数m先の2cm程度の的を撃つわけですから、この誤差はハンターにとって致命的です。

スプリング式かレギュレーターが付いている近年のプレチャージ式であればこの問題は解決できるので、銃選びの際は注意してみてください。

デメリット2.新品は銃自体が高い

新品の銃が高いのもデメリットの一つです。最新のプレチャージ式空気銃は「30万円〜60万円」前後とかなり高額。初心者が始めるには辛い所です。

この問題は、中古銃で解決できます。でも、中古は「どこか壊れているんじゃないか」「レギュレーターが付いていないものを売られるんじゃないか」と怖いですよね。

私たち「シューティングサプライ」は、お客様に猟や射撃を楽しんで欲しいと思っています。そのため、銃を販売する時には「悪い面」についても解説させていただきますので、気になる商品がありましたらお気軽にお問い合わせください。

空気銃(エアライフル)の中古販売ページを見てみる

デメリット3.ランニングコストがかかるものがある

今回紹介した中ですと「ガスカートリッジ式」と、プレチャージ式で「エアタンク」を使う場合はランニングコストがかかります。

特に、エアタンクは以下の金額がかかるのでかなり高価と言えるでしょう。

  • タンク自体:約3,000円~
  • 3〜5年ごとの点検料:約15,000円

ハンドポンプであれば、プレチャージ式だったとしても弾代だけで済むのでかなり安くなります。この辺はお財布と相談ですね。

デメリット4.散弾銃と比べ威力は弱い(クマ撃ちやシカ撃ちは不可能)

威力が強いプレチャージ式の空気銃だったとしても、通常の散弾銃には敵いません。シカ猟やクマ猟をしたい場合は、第1種銃猟免許と散弾銃、そして所持許可が必要になります。

もし獣猟を中心にやりたいのであれば、散弾銃の方がオススメ。散弾銃猟についても解説している記事がありますので、獣猟に興味がある方はご覧ください。

散弾銃の関連記事

最後にオススメの空気銃を見ていきましょう。

オススメの空気銃(エアライフル)

シューティングサプライで取り扱っている空気銃の中でも、特にオススメの空気銃を紹介します。

ローガン アクサー 5.5mm プレチャージ式「154,000円」

ハンドポンプ、スコープ付きのプレチャージ式空気銃です。クラシカルな銃が好きな人にオススメの銃ですね。リコイルパッドが劣化しているため、長く使い続けるのであれば交換が必要です。

中古エアライフル ローガン アクサー 5.5mm

ファインベルクバウ M600 4.5mm サイドレバーポンプ式「33,000円」

主に標的射撃向けのパワー・口径となってますので、狩猟には向きません。マイクロサイトが欠品していますが「とにかく安く始めたい!」という方にオススメしたい空気銃です。現状販売となるためご了承ください。

中古エアライフル ファインベルクバウ M600 4.5mm 現状販売品

FX ボブキャットMKⅡ プレチャージ式 レギュレーター内蔵「385,000円〜」

新品のため高額ですが、長く使い続けたい人にオススメしたい一丁です。シリンダー容量は通常200ccのところ、このボブキャッチMKⅡは300ccと、1.5倍の容量があり長時間の鳥猟が可能です。

さらにレギュレーターが内蔵されているので弾速が一定で狙いやすい、サイドレバーシステムは最新式で装填がしやすく、デザインも近未来的でかっこいいと非の打ち所がない空気銃になっています。

ブルパップ式を採用しているため非常にコンパクトで持ち運びもしやすく、上記の特徴も合わせて初心者の人にこそオススメしたい銃になります。

銃・中古銃の銃砲店シューティングサプライ(ShootingSupply) / FXエアーガンズ・エアアームス・コメタ製エアライフル取り寄せます

まとめ

今回は空気銃(エアライフル)について解説させていただきました。最後にポイントを振り返りましょう。

【空気銃のポイント】

  • 空気銃は主に鳥猟、罠にかかった獣の止め刺しに使用する
  • 種類は大きく4つあり、初心者にオススメは「プレチャージ式」
  • 空気を充填した時は、必ずポンプのバルブを緩め空気を逃がしてからコネクタを外す
  • 保管時は残圧があることを確認する

【空気銃のメリット】

  • 精密射撃ができる
  • 散弾銃に比べ費用が安い
  • 比較的資格取得や手続きが簡単
  • 見た目がかっこいい

【空気銃のデメリット】

  • 銃によっては弾道が安定しない
  • 新品は銃自体が高い
  • ランニングコストがかかるものがある
  • 散弾銃と比べ威力は弱い(クマ撃ちやシカ撃ちは不可能)

空気銃を探す上でお困りのことや、どのモデルを選べば良いかわからない、性能について詳しく知りたいなどお悩みがございましたら、旭川市の「シューティングサプライ」までお越しください。

あなたが狩猟や射撃を楽しめるよう、サポートさせていただきます。

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定休日 日曜日
連絡先 0166-63-5210
住所 〒070-8044 北海道旭川市忠和4条6丁目3−5
駐車場 あり(3台程度)

また、空気銃(エアライフル)に関する記事も多く公開しています。今回の記事で興味が沸いた方向けに、必要な手続きやマニアックな弾の解説記事も用意しておりますのでぜひ一度ご覧ください。

 

狩猟のギモン、YouTubeでお答えします

シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。

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