洗い矢の正しい使い方を銃砲店が解説!誤って傷をつけないための技術を伝授します

メンテナンスに必須の洗い矢は、知識がない状態で使用しても汚れが取れることがあります。しかし、使い方を誤ってしまうと銃身内を傷つけてしまうため注意が必要です。

特にライフル銃などは腔線に傷がつくと命中率に影響しますので、正しい使い方を身につけることが大切です。

そこで本記事では、洗い矢の正しい使い方からおすすめの洗い矢まで紹介します。散弾銃、ライフル銃ごとにそれぞれ紹介しますので、狩猟や標的射撃などで銃をお持ちの方はぜひご覧ください。

洗い矢の使い方

銃を分解後、洗い矢を使って銃身内を掃除する方法をお伝えします。頻度としては可能であれば射撃ごと行いましょう。

洗い矢を使っての整備は、銃身内の汚れを除去すると共に、錆止めの効果を持ちます。射撃ごとに整備することで、銃の寿命を伸ばせます。

また、1発も撃っていなくとも猟期が終わる頃には一度整備しておくことをおすすめします。

通常の散弾銃の場合

  1. 洗い矢の先端にブラシをつける。
  2. 銃身内にソルベント又はガンオイルを塗布し、薬室側から銃口へ向けて数回往復させる。
  3. ブラシからパッチ通しに交換し、パッチを付けて汚れをふき取る。
  4. 汚れがなくなれば終了、まだ不十分な場合は1から繰り返す。

ライフリングが入っていない散弾銃の場合、神経質にならずともOKです。汚れを取りつつ、錆止めをする感覚で数回通しましょう。

ライフルの場合

  1. 洗い矢にブロンズ又はナイロンブラシを取付け、初期汚れを浮かせる。
  2. 銃身内にソルベント又は除銅剤を塗布し、30分ほど放置する。
  3. 洗い矢の先端にジャグ又はマカロニ用ジャグを取付け、パッチかマカロニで汚れをふき取る。
  4. 汚れがなくなれば終了、まだ不十分な場合は2or3から繰り返す。

パッチをつける時、自身の口径にあった大きさか確認と、実際に通るか確認ください。通らない場合は3パッチを切り調節してください。

パッチが大き過ぎると銃口内に詰まってしまい、取り出すことが困難になるためご注意ください。

ワイヤーブラシについては「ガンクリーナーツール」という名前で市販されており、鉛の溶剤は「ボアスクラバー」という名前で販売されています。

また、ハーフライフルについては「サボットスラッグ弾」のみを使用している場合、弾頭と銃身が直接接触しない構造になっている為、ソルベントや除銅剤は不要です。パッチを空通しでOKです。

おすすめの洗い矢

ここでは、おすすめの洗い矢を紹介します。購入する際は、必ずご自身の銃の番径に適合している商品かご確認ください。(12番、20番など)

散弾銃用洗い矢:HWZ 12Ga 洗い矢セット

スタンダードな洗い矢セットで、綿毛、硬性プラスチック、銅線のブラシが付属しています。ウエスの代わりに綿毛のブラシを使用可能なため、付け替えが簡単で詰まる心配がありません。

価格もリーズナブルなため、銃に洗い矢が付属していない場合などの入門におすすめです。ただし、他の製品よりもやや長さが短いため、銃身長が長い銃の場合はご注意ください。

HWZ 12Ga 洗い矢セットを見てみる

ライフル銃用洗い矢:Ideagle ガンクリーニングキットエリートエディション

洗い矢のセットで、豊富なクリーニングキットが詰まったアイテムです。値段はやや高めですがウエスを装着可能なため、ランニングコストに優れます。

各ブラシの根本にサイズが刻印されているため、ご自身の銃に適合するサイズのものを選んで装着してください。12GA、20GAにも対応しているため、ハーフライフルや通常の散弾銃にも使用可能です。

Ideagle ガンクリーニングキットエリートエディション

合わせて買っておきたいアイテム:WD-40(ガンオイル)

WD-40や防錆の潤滑剤であり、ガンオイルとしても使用可能です。国内外問わず広く使われているスプレー型のオイルで、安価かつ信頼性が高い特徴を持ちます。

こちらはホームセンターなどで販売されている場合もあり、使い切ってもすぐに補充可能なアイテムです。家に一本は常備しておきましょう。

WD-40を見てみる

まとめ

洗い矢は正しく使用しなければ、銃身内を傷つけてしまう原因になります。特にライフルやハーフライフルなど、ライフリングが刻まれている場合は傷が命中率を下げる要因になりますので、注意が必要です。

通常の散弾銃はブラシにて汚れを浮かしての清掃が必須。ハーフライフルはブラシ不要、ライフルの場合は鉛を溶かす溶剤を使用してから銃身内部に洗い矢を通し掃除しましょう。

洗い矢を選ぶ際は、適合したサイズかを必ず確認してください。また、ウエス(パッチ

)を使用する場合は大き過ぎると詰まりの原因になるため、小さく切ったものから通して調整していきましょう。

ライフル銃のメンテナンスについては、以下の記事でも詳しく解説しています。正しい整備の仕方を学びたい方はぜひご覧ください。

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