ライフリングとは?加工方法や真っ直ぐ飛ぶ仕組み、加工されている銃まで解説します

ライフリング加工がされていると、弾道が安定します。この事実は広く認知されていますが、なぜ弾道が安定するのかは意外と知られていません。

そこで今回は、ライフル銃やハーフライフル銃を販売する銃砲店「シューティングサプライ」が、ライフリングについて徹底解説させていただきます。

ライフリングについての理解を深めることで、仕組みがわかり、より獲物を狙うイメージがしやすくなります。

かなりマニア向けの記事になっていますので、銃が好きな方、狩猟をする上でメカニズムについても知っておきたい方はぜひご覧ください。

ライフリングとは弾道を安定させるための溝のこと

ライフリングは、銃の銃身内部にある螺旋状の溝であり、弾丸を回転させることで弾道を安定させる目的で掘られています。日本では 施条 しじょう 腔線 こうせん とも呼ばれ、ライフル銃、ハーフライフル銃に採用されていることがほとんどです。

弾丸が回転する理由は、ライフリングと弾丸の表面が噛み合い、弾丸が銃身を通過する時に回転が加わるため。

このライフリングの加工は、特殊な工具によって刻まれます。

ライフリングの加工は螺旋状の溝を銃身内部に切り込むことで行われている

ライフリングの加工は、銃身内部に特殊な工具を用いて螺旋状の溝を切り込むことで行われます。溝の数や角度、深さは、銃の性能や目的によって異なります。

海外の動画でライフリング加工をするイメージのCG動画がありましたので、参考にしてください。

 

※ライフリングは専門の技術と専用の機械が必要です。個人での調整は事故に繋がる危険があるため絶対にやめましょう。

このライフリングがあるお陰で、弾は真っ直ぐ進みます。次はその仕組みについて解説しましょう。

弾道が真っ直ぐ進む仕組み

ライフリングによって弾丸に回転が加えられることで、ジャイロ効果が生じます。ジャイロ効果は、回転する物体が外力に対して安定性を持つ現象です。このジャイロ効果により弾丸は空気抵抗や重力による影響を受けにくくなり、より真っ直ぐな弾道を保ちます。

ライフリング加工がされている銃

日本国内でライフリング加工がされている銃について紹介します。

ライフル

 

ライフルはライフリング加工がされた代表的な銃です。イメージの通り、狙撃に向いておりスコープをつけて射撃することが多く、飛距離や威力も非常に高いことが特徴。

日本では散弾銃を持ってから10年経過しないと、ライフルの所持許可が降りないため国内でライフルを使っている人はベテランのハンターがほとんどです。

ライフルをもっと見てみる

ハーフライフル

 

ハーフライフルはその名の通り、通常のライフルの半分の長さにライフリング加工がされている銃です。

日本では散弾銃として扱われ、専用のサボットスラッグ弾を使用することでライフル銃のような感覚で狩猟できることが特徴。

ライフルとハーフライフルの違いについては動画で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

 

ハーフライフル(散弾銃)をもっと見てみる

自衛隊の装備(89式小銃、軽機関銃など)

自衛隊の装備である89式小銃や軽機関銃MINIMIも、ライフリング加工がされています。5.56mm弾を使用するため、一般市民が見る機会はほぼありません。

余談ですが、自衛隊の人は300m先の的にスコープ無しで当てるそうです。銃の性能も凄いですが、訓練されている隊員の方も凄いですね。

コラム:ライフリングの歴史

ライフリングの歴史は古く、15世紀にさかのぼります。初期のライフリングは、砲の内部に螺旋状の溝を刻むことで弾丸の回転を促し、命中精度を向上させることを目的としていました。しかし、その頃の技術では銃身内部の溝を正確に加工するのが困難であり、普及はしていません。

17世紀に入ると、技術の進歩により銃身内部のライフリング加工が向上し、ライフリングが施された銃がより一般的になりました。この時期は、主に滑腔銃(ライフリングの無い銃)とライフル銃が並行して使用されていた時代です。

19世紀には、銃の設計と製造技術がさらに進歩し、ライフリングの精度が向上しました。また、弾丸の設計も進化し、従来の円筒形弾丸から尖頭弾(スピッツァー弾)へと変化し、弾道特性が改善されました。この時期には、ライフリング銃が戦場で主力となり、滑腔銃は次第に使われなくなりました。

20世紀に入ると、自動小銃やアサルトライフルなどの新しい銃が登場し、ライフリング技術はさらに洗練されました。これらの銃は、高い連射性能と命中精度を兼ね備え、現代でも使用されています。

まとめ

今回はライフリングについて解説しました。最後にポイントを振り返りましょう。

  • ライフリングとは弾道を安定させるための溝のこと
  • ジャイロ効果によって弾道が真っ直ぐ進む
  • ライフリングの加工は螺旋状の溝を銃身内部に切り込むことで行われている
  • 日本国内でライフリング加工がされている銃は「ライフル」「ハーフライフル」「自衛隊の装備」

シューティングサプライでは、新品・中古のライフル、ハーフライフル銃を取り扱っています。

ライフリングの理論上は安定する銃でも、実際の弾との相性により飛び方が異なるものも多く存在しますので、命中精度を上げたい!獲物を確実に仕留めたい!とお悩みのことがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。

あなたが狩猟や射撃を楽しめるよう、サポートさせていただきます。

また、ライフル射撃を初めてみたい方は以下の記事に情報をわかりやすくまとめていますので、ぜひご覧ください!

 

営業時間 9:00〜18:00
定休日 日曜日
連絡先 0166-63-5210
住所 〒070-8044 北海道旭川市忠和4条6丁目3−5
駐車場 あり(3台程度)

狩猟のギモン、YouTubeでお答えします

シューティングサプライでは、YouTubeチャンネルも運用しています。

「鹿を仕留める時のコツはある?」
「銃の値段が違うと何が違うの?」
「そもそも銃砲店の店内ってどんな感じなの?」

上記のような、実際のお客様から寄せられた質問に対し、動画でお答えしています。他のチャンネルには中々ない、現場のギモンも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。

youtubeチャンネル「シューティングサプライ渡辺店長」はこちら

コメントを残す