
狩猟免許を取得して、いざ単独猟を始めようとしたものの、猟法選びで悩んでいませんか。
「流し猟」と「忍び猟」は全く異なるアプローチで獲物を狙うため、自分のスタイルに合わせた選択が重要になります。
この記事では、両者の決定的な違いから、それぞれのメリットやデメリット、必須となる装備品までを詳しく解説します。
これから狩猟を始める初心者の方は、ぜひ猟法選びの参考にしてください。
狩猟初心者の壁!「流し猟」と「忍び猟」の違いとは?

狩猟の基本となる二つの猟法ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、それぞれの猟法が持つ特徴と全体的な概要を分かりやすく解説していきます。
車の機動力を活かす「流し猟」の特徴
流し猟は、四輪駆動車などを利用して林道を走りながら獲物を探す猟法を指します。
徒歩での移動に比べて広範囲を効率よく探索できるため、体力の消耗を大幅に抑えられるという利点を持っています。
軽トラックなどで林道を低速走行し、獲物を発見した時点で静かに降車して狙撃の体勢に入ります。
体力にあまり自信がない方や、限られた時間の中で効率的にポイントを回りたい方に適したスタイルと言えるでしょう。
参考:環境省「狩猟制度の概要」
足と五感で獲物を追う「忍び猟」の特徴
忍び猟は、自らの足で山林を歩き回り、足跡やフンなどの痕跡を頼りに獲物を追跡する伝統的な猟法です。
車が入り込めない奥深い山の中まで探索できるため、動物の警戒心を過度に刺激しにくい特徴があります。
風向きを考慮して自身の匂いを悟られないようにし、足音を立てずに獲物の生活圏へと接近していきます。
自然との一体感を深く味わいたい方や、野生動物の生態をじっくりと観察したい方に向いています。
【一覧表】流し猟と忍び猟の比較まとめ(体力、難易度、必要な環境など)
両者の違いを一目で把握できるように、重要なポイントを比較表にまとめました。
自身の体力や所有している道具、活動予定の環境と照らし合わせることで、適した猟法を判断しやすくなります。
| 比較項目 | 流し猟の特徴 | 忍び猟の特徴 |
|---|---|---|
| 体力消耗 | 少ない | 非常に多く消耗する |
| 難易度 | 比較的低い(悪路の運転技術は必要) | 高い(追跡技術や体力が必要) |
| 環境 | 林道など車が通れる道が必要 | 車が入れない深い山林でも可能 |
| 機動力 | 高い(短時間で広範囲を移動できる) | 低い(徒歩の範囲に限られる) |
この表の項目を参考にしながら、ご自身が無理なく安全に続けられそうな猟法を検討してみてください。
効率重視?「流し猟」のメリット・デメリット

車を使う流し猟には、独自の強みと気をつけるべき弱みが存在します。
ここでは、流し猟を実践する上での利点と、法令に関する注意点について詳しく見ていきましょう。
流し猟のメリット(体力の消耗が少ない、広範囲を探せる、回収が楽など)
流し猟の最大のメリットは、圧倒的な探索範囲の広さと体力の温存ができることに尽きます。
車両を利用して移動するため、徒歩による移動の何十倍ものエリアを一日でチェックすることが可能です。
険しい斜面を登り降りすることなく林道から山肌を見渡せるため、体力的な負担が大幅に軽減されます。
見事獲物を仕留めた後も車までの距離が近いため、重たい獲物の回収や運搬が非常に楽になります。
流し猟のデメリットと注意点
一方で、流し猟には車両が必須というハードルや、法令による厳しい制限があることを理解しておかなければなりません。
走行中の車内や、車両に乗ったままの状態からの発砲は鳥獣保護管理法で固く禁じられています。
必ず完全に降車してから弾を装填して、発砲の準備を整える必要があります。
また、車のエンジン音やライトの光で獲物に警戒されやすく、発砲の準備中に逃げられてしまうケースも少なくありません。
狩猟の醍醐味!「忍び猟」のメリット・デメリット

自らの足で山を歩く忍び猟は、狩猟本来の姿とも言える奥深い魅力を持っています。
ここでは、忍び猟ならではの長所と、直面することになる厳しい課題について解説します。
忍び猟のメリット(足跡など痕跡を探す楽しさ、至近距離でのスリル、車が入れない場所を攻められるなど)
忍び猟の最も素晴らしい点は、動物との知恵比べや自然との深い一体感を味わえることです。
足跡や食み跡といったわずかな痕跡から獲物の動きを推理し、自らの足と感覚で距離を詰めていきます。
車の音が届かない山の中へ入り込むため、警戒心の強い大物に出会える確率も高まるでしょう。
風を読みながら至近距離まで音もなく忍び寄ったときの達成感は、他の猟法では味わえない特別な体験をもたらしてくれます。
忍び猟のデメリットと注意点
しかし、忍び猟は体力的にも技術的にも非常にハードルが高いという明確なデメリットを持っています。
険しい山中を長距離歩き回る体力と、獲物の痕跡を見逃さない確かな知識が必要不可欠になります。
特に大変なのは、数十キログラムの肉を背負って悪路を運ぶ回収作業です。
夢中で獲物を追跡しているうちに方向感覚を失い、山中で道に迷う遭難リスクも常に伴っています。
【スタイル別】あなたにおすすめの猟法診断

それぞれの特徴を理解したところで、自分にはどちらが向いているのかを確認しましょう。
ご自身の現在の環境や好みに合わせた猟法の選び方をご提案します。
林道を走れる車がある・体力に自信がない人は「流し猟」
悪路を走破できる四輪駆動車を所有しており、かつ体力的な不安がある方には流し猟を強くおすすめします。
車の機動力を最大限に活かすことで、体力的なハンデをカバーしながら広大な猟場を開拓できるからです。
悪天候の日でも車内である程度待機できるため、体温を奪われることなく快適に狩猟を続けられます。
効率よく獲物と出会うチャンスを増やしたいのであれば、まずは流し猟から始めてみるのが良いでしょう。
山歩きが得意・自然との一体感を味わいたい・じっくり追跡したい人は「忍び猟」
普段から山歩きに慣れており、動物の痕跡を探る過程そのものを楽しみたい方には忍び猟がぴったりです。
車両に頼らず自らの身体能力と五感だけを駆使するため、より本格的で原始的な狩猟体験ができます。
体力と忍耐力は要求されますが、その分だけ見事仕留めたときの喜びと達成感は計り知れないものがあります。
スポーツとしての側面や野生動物の生態に興味がある方は、ぜひ忍び猟の技術を磨いてみてください。
流し猟と忍び猟、それぞれに必要な装備品の違い

猟法が異なれば、当然ながら持ち歩くべき道具も大きく変わってきます。
ここでは、それぞれのスタイルにおいて欠かせないマストアイテムを紹介します。
流し猟のマストアイテム
流し猟では、車を中心とした装備をしっかりと整えることが最も重要になります。
遠くの斜面にいる獲物を見つけるための高性能な双眼鏡は、流し猟における必須アイテムと言えます。
また、銃刀法により車内では銃を必ずケースに収納して運搬しなければならないため、ソフトガンケースを用意してください。
さらに未舗装の林道でのスタックに備えて、牽引用のウインチやスコップなどを積んでおくと安心できます。
参考:警察庁「銃刀法が改正されました(猟銃・空気銃の所持等)」
忍び猟のマストアイテム(歩きやすい猟靴、軽量な装備、GPS、獲物運搬用の背負子など)
忍び猟においては、自身の身体への負担を減らし、山中での安全を確保するための装備が不可欠です。
足元をしっかり守り、枯れ葉を踏む音を立てにくいスパイク付きの猟靴は最優先で揃えるべきアイテムになります。
現在地を正確に把握するためのGPS端末や予備のバッテリーは、道迷い防止に欠かせません。
仕留めた獲物の肉を運び出すための丈夫な背負子も準備しておく必要があります。
よくある質問(FAQ)
狩猟免許を取ったばかりの方からよく寄せられる疑問にお答えします。
法令や安全に関わる内容も含まれるため、出猟前にしっかりと確認しておきましょう。
Q.猟銃はどちらの猟法にも同じものが使えますか?
基本的に、流し猟でも忍び猟でも同じ猟銃を使用することは可能です。
猟銃の所持許可は用途に対して出されるものであり、猟法によって使える銃の種類が制限されるわけではありません。
ただし、それぞれのスタイルにより適した銃の選び方というものは存在します。
忍び猟では取り回しの良い短くて軽量なモデルが、流し猟では遠距離を狙えるハーフライフルなどが好まれる傾向にあります。
Q.初心者はどちらから始めるべきですか?
狩猟初心者の方には、まずは流し猟から始めることを推奨されるケースが多くなっています。
体力的な負担が少なく、比較的短期間で獲物を発見して発砲までの流れを経験しやすいからです。
忍び猟は獲物を見つけるだけでも高度な知識が必要となり、一発も撃てずにシーズンが終わってしまうことも珍しくありません。
まずは流し猟で狩猟全体の流れを掴み、慣れてきた段階で徐々に忍び猟に挑戦していくのが安全な道と言えます。
まとめ
流し猟と忍び猟は、それぞれに全く異なる魅力と難しさを持っています。
自分の体力や所有している装備、そしてどのような狩猟体験を求めているかによって選ぶべき猟法は変わります。
まずはご自身の現在の体力レベルと、所有している車両の性能を正確に把握することから始めてください。
そして負担の少ない方法で安全に経験を積み、慣れてきたら別の猟法にも挑戦してみることをおすすめします。
法令とマナーをしっかりと遵守し、自分に最も合った猟法を見つけて充実した狩猟ライフをスタートさせましょう。
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