狩猟免許を持っているだけではもったいない!ペーパーハンターが知るべき維持費と免許の使い道

狩猟免許を持っているだけではもったいない!ペーパーハンターが知るべき維持費と免許の使い道

「苦労して試験に合格したけれど、結局一度も猟に出かけていない……」 「免許の更新通知が来たけれど、このまま維持するべきか悩んでいる」

そのような悩みを抱える方は少なくありません。いわゆる「ペーパーハンター」と呼ばれる状態ですが、実は今、あなたのような立場の人材が社会的に注目されていることをご存知でしょうか。

この記事では、狩猟免許を持っているだけの状態から一歩踏み出すための知識や、維持すること自体のメリット、そして猟銃を扱う上での現実的なハードルについて解説します。せっかく取得した国家資格を無駄にしないための選択肢を一緒に探っていきましょう。

狩猟免許を持っているだけの人は増えている

狩猟免許を持っているだけの人は増えている

ペーパーハンターの増加

現在、狩猟免許を取得したものの、実際の狩猟活動を行っていない「ペーパーハンター」は決して珍しい存在ではなく、むしろ増加傾向にあります。自分だけが活動できていないと引け目を感じる必要はありません。

この背景には、狩猟への関心が高まり免許取得者が増えた一方で、「取得後の高いハードル」が存在するためです。環境省の統計によると、狩猟免許所持者数は横ばい・微増の傾向が見られますが、実際に猟友会に所属し出猟するには「土地勘がない」「師匠がいない」「装備が高い」といった壁があり、これらを超えられない層が一定数滞留しています。

近年のキャンプやジビエブームの影響で、「自然と関わりたい」という動機から20代〜30代の若手取得者が増えています。しかし、いざ免許を取っても「どこの山に入っていいかわからない」「単独での活動は危険」という現実に直面し、結果として免許証が眠ったままになるケースが多発しています。

狩猟免許を持っているだけの状態は、現代のライフスタイルや狩猟環境の変化を考えれば自然なことです。重要なのは、その状態をどう捉え、今後どう活かすかという点にあります。

資格としての価値

狩猟免許は、実際に猟を行わなくても「資格そのもの」に社会的な価値と信用があります。そのため、安易に失効させるのは大きな損失と言えるでしょう。

狩猟免許試験に合格しているということは、鳥獣保護管理法などの法令知識、野生鳥獣の判別能力、そして(銃猟免許の場合は)銃器の取り扱いに関する安全知識を有していることの公的な証明になります。これらは一般的な趣味の範疇を超えた専門知識です。

例えば、履歴書の資格欄に「第一種銃猟免許」や「わな猟免許」と記載することは、面接官に対して「法令遵守の意識が高い」「自然環境への関心がある」「忍耐力がある」といったポジティブな印象を与えるフックになります。

また、森林組合やアウトドア業界、環境調査会社への就職・転職活動においては、即戦力候補として実務的なアピールポイントになります。狩猟免許は単なる趣味の許可証ではなく、環境保全や安全管理に関わる国家資格です。現在は活動していなくとも、キャリアの一部として維持し続けることには十分な意義があります。

なぜ狩猟免許を持っているだけになるのか?「わな」と「銃」の現実

なぜ狩猟免許を持っているだけになるのか?「わな」と「銃」の現実

狩猟免許を持っているだけになってしまう最大の要因は、都道府県知事が管轄する「狩猟免許」と、公安委員会(警察)が管轄する「銃砲所持許可」という、二重の法的ハードルと種類の違いにあります。

狩猟免許試験に合格しても、それだけで銃を持てるわけではありません。特に銃猟(第一種・第二種)の場合、実際に猟を行うには警察での厳格な審査を経て、銃を手に入れる必要があります。この手続きの煩雑さと心理的負担が、ペーパーハンターを生む壁となっています。

銃種ごとのハードルを見ると、その違いは明確です。まず「空気銃(エアライフル)」は第二種銃猟免許で扱えます。射撃教習が不要なのでいくらか楽ですが、それでも保管設備の設置や精神科医の診断書が必要です。

次に「散弾銃(ショットガン)」は第一種銃猟免許が必要で、イノシシやシカ猟の主流ですが、警察の身辺調査や教習射撃など、所持許可取得までに数ヶ月の時間と10万円以上の費用がかかります。

そして「ライフル銃」は、原則として「散弾銃を10年以上継続して所持」していなければ許可が下りません。この「10年」という期間が、初心者にとって高すぎる壁となっています。

免許までは取っても、銃の許可を取るのが大変でペーパーハンターになってしまう人が多くいるのが実情です。まずは銃を持たずに始められる「わな猟」や、比較的ハードルの低い「空気銃」から検討し直すのも一つの解決策です。

と、第1種(又は第2種)の狩猟免許を有していていても、使用する「銃」がなければ何もすることができません。ただ、「免許を有している」だけとなります。

狩猟免許を持っているだけでも維持費や更新は面倒ではないのか?

狩猟免許を持っているだけでも維持費や更新は面倒ではないのか?

「狩猟免許」単体であれば、維持費はそれほど高くなく、更新手続きも比較的簡単です。しかし、「銃の所持許可」も維持しようとすると、手間とコストが跳ね上がります。

1. 狩猟免許の維持費(3年に1回):狩猟免許の有効期間は3年です。更新時にかかる費用は以下の通りです。

  • 更新手数料:約2,900円(北海道の場合)
  • 適性検査・講習受講:数千円程度

3年に一度、半日程度の講習と視力・聴力などの適性検査を受けるだけで維持できます。

2. 銃所持許可の維持費(毎年〜3年に1回):銃を持っている場合、コストは桁違いです。

  • 銃砲所持許可の更新(3年ごと):約7,000円+講習受講料+診断書料など(計1.5万〜2万円程度)
  • 火薬類譲受許可(毎年):約2,400円
  • 銃検査(毎年):警察署での現物確認
  • 射撃練習費:実績作りのため必須(年間数万円〜)

「免許は持っているだけ」でも年に1,000円程度の積み立てで済みますが、銃を持ち続けるには年間数万円の維持費と、警察による厳しいチェックへの対応が必要です。これが、多くの人が免許だけ維持して銃を手放したり買わなかったりする理由です。

※出典・参考リンク

ペーパーハンター向け講習会のすすめ

就職や実際の活動につなげるための最良のステップは、行政や猟友会が主催する「初心者向け講習会」や「ペーパーハンター向け研修」に参加することです。

「持っているだけ」の最大の不安要素である「技術不足」と「仲間の不在」を同時に解消できるからです。公的な講習会であれば、ベテランハンターから安全な銃の取り扱いや、わなの設置方法、解体技術を実地で学ぶことができます。

環境省や都道府県の猟友会では、具体的なプログラムを実施しています。例えば「わな猟実地講習」では、実際の山で獣道を見つけ、わなを架設する体験ができます。「模擬銃やシミュレーター体験」では、実際に発砲する前に、空気銃や散弾銃の重さや照準の合わせ方を学ぶ安全講習が行われます。また、「解体・ジビエ講習」では獲物を食肉として処理するプロセスを学習できます。

こうした講習会は、同じ悩みを持つペーパーハンター同士の交流の場でもあります。ここで人脈ができれば、地元の「有害鳥獣捕獲隊(実施隊)」への参加や、関連する仕事への紹介につながることも珍しくありません。

まとめ

狩猟免許を持っているだけの状態は、決してネガティブなことではありません。それは、あなたが自然との共生や生命のあり方に関心を持ち、一定の知識レベルに達していることの証明です。

銃を持っていなければ、3年に一度の更新のみで、資格維持のコストは低く抑えられます。銃のハードルが高いと感じる場合は、いきなりライフルや散弾銃の所持を目指すのではなく、あえて空気銃や、わな猟から始める道もあります。また、自治体の補助金や講習会を活用すれば、コストと技術の壁は十分に越えられるものです。

まずは次回の更新を確実に行い、資格を維持しましょう。そして、もし「やはり始めてみたい」と思ったら、各都道府県の猟友会や自治体が開催するペーパーハンター向けの講習会へ足を運んでみてください。その小さな一歩が、あなたのライフスタイルを大きく変えるきっかけになるはずです。

狩猟のギモン、YouTubeでお答えします

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