レバーアクションは男のロマン!天才ジョン・ブローニングも関わった「ウィンチェスターライフル」の誕生を解説

ウィンチェスターライフル(Winchester rifle)は、アメリカの銃器メーカーウィンチェスターリピーティングアームズ社が製造したレバーアクション式ライフルです。

ウィンチェスターライフルは最も初期の「リピーター(連発式)ライフル」の一つであり、ウィンチェスター製は人気が高いものになっています。西部開拓者の手に渡ったことから、別名「西部を制した銃」とも呼ばれます。

そこで今回は、あの天才設計者ジョン・ブローニングも開発に携わったといわれる、屈指の名銃・ウィンチェスターライフルの誕生から現在までを解説してみたいと思います。

ウィンチェスターライフルの歴史のはじまり ~創業~

引用画像:WINCHESTER

 

すべてのはじまりは、発明家ウォルター・ハントでした。1848年に彼が「Volition Repeating Rifle」の特許を取得。これは、2本のレバー・複雑なリンクで操作する筒型弾倉を組み込んだライフルで、ハントが「ロケット・ボール」と呼ぶ、弾丸の底に火薬を封入した初期のケースレス弾薬を発射するもの。この時は、壊れやすさから実用的ではありませんでした。このときはまだ、ウィンチェスターの「ウ」の字も存在していません。

 

残念ながらハントの銃は、まだまだ改良の余地がありました。1849年にルイス・ジェニングスがハントの特許を購入し、ロビンス&ローレンス(バーモント州ウィンザー)によって1852年まで少量生産。ロビンスらと店長ベンジャミン・タイラー・ヘンリーからジェニングスの特許を取得したホレス・スミスとダニエル・ウェッソン(コネティカット州ノリッチ)は、その設計にいくつかの改良を加え、1855年には数人の出資者とともにヴォルカニック・リピーティング・アームズ・カンパニーを設立するに至りました。

実は、この出資者の中の一人が、のちのウィンチェスター社の創業社長となる、実業家のオリバー・ウィンチェスターだったのです(上記画像の人物)。

 

その後スミスは、同社の筆頭株主をオリバー・ウィンチェスターとし、ヴォルカニック・レバーアクション・ピストルというハント・ジェニングスを改良したライフル銃を製造していきます。ヴォルカニックライフルのために、ハントの「ロケットボール」に弾丸と火薬にプライマーを加え、一体化した最初の固定金属弾の1つを作り出しました。

 

他には、弾丸と火薬を収納する円筒形の銅製ケースを追加し、ケースの縁にプライマーを入れ、銃器史上最も重要な発明の1つである「金属製リムファイヤーカートリッジ」を製造。この時の「スミスのカートリッジ・22ショート」は、1857年に画期的なスミス&ウェッソンモデル1リボルバーで商業的に導入され、今も生産されています。

 

このライフルは、ハントから派生したボルカニックカートリッジの設計・性能の低さにより、一時期の人気で終わってしまいました。カートリッジは、中空円錐球に黒色火薬を充填しコルクプライマーで密封したものだったのです。リピーター設計でライバルを大きく引き離していましたが、25口径と32口径の「ロケットボール」は威力と信頼性が足りず、ライバルの大口径には到底叶いませんでした。

設立後すぐにウェッソンが、その8ヵ月後にスミスがボルカニック社を離れスミス&ウェッソン・リボルバー・カンパニーを設立しました。ボルカニック社は1856年にニューヘイブンへ移転し、その年の終わりには債務超過に。残ったオリバー・ウィンチェスターは、破産した会社の資産を残りの株主から買い取り、1857年4月にニューヘイブン・アームズ・カンパニーとして再編成しました。

 

ベンジャミン・ヘンリーは、スミスのカートリッジ・コンセプトに取り組み続け、より大きく、より強力な.44ヘンリー・リムファイアを完成させました。そして、新しい弾薬を使用するため、ブリーチ機構の一般的な形と筒型弾倉だけを残したライフルの再設計を監督。これが1860年のヘンリー・ライフルとなり、ニューヘイブン・アームズ・カンパニーで製造、南北戦争で北軍の一部の部隊に相当数使用されることとなりました。南部連合軍はヘンリー・ライフルを “日曜日に装填して一週間中撃っている、あの忌々しいヤンキーのライフル “と呼び、恐れていたそうです。

ブローニングが関わることでさらなる発展を遂げるウィンチェスターライフル

 

戦後、オリバー・ウィンチェスターは、ニューヘイブン・アームズをウィンチェスター・リピーティング・アームズ・カンパニーと改名しました。同社は、ヘンリーライフルの基本設計を改良したモデル1866(最初のウィンチェスターライフル)を完成させています。これは機能として、.44ヘンリー・リムファイア・カートリッジを採用し、青銅合金のフレーム・改良された弾倉・木製のフォアアームが装備されている仕様です。

 

1873年、ウィンチェスターはスチールフレームのモデル1873を発表。より強力な.44-40センターファイア・カートリッジを装填するようになりました。1876年、当時の強力な単発ライフル銃に対抗するため、ウィンチェスターはモデル1876(センテニアルモデル)を発表しました。これは、1866年や1873年のモデルよりも強力なカートリッジを装填できましたが、トグルリンクアクションは人気の高いハイパワー弾(シャープス、レミントンのシングルショットライフルに使われる)には強度が足りませんでした。

 

1883年以降は、ウィンチェスターの新たな歴史の幕開けとなります。そう、あの「銃器界のダヴィンチ」と称されたジョン・モーゼス・ブローニングとの出合いです。当時のウィンチェスター社の代表・ベネットは、名工ブローニングのライフルの評判を聞きつけ、わざわざブローニングに会いに行ったそうです。

ジョン・モーゼス・ブローニングはウィンチェスター社と提携し、一連のライフルと散弾銃を設計しました。
ジョンが開発した代表的なものは、レバーアクション式のウィンチェスター・モデル1886、モデル1892、モデル1894、モデル1895ライフル、レバーアクション式のモデ1887/1901散弾銃、ポンプアクション式のモデル1890ライフル、ポンプアクション式のモデル1893/1897散弾銃でした。

まとめ

北海道は旭川市にある銃砲店シューティングサプライは、ウィンチェスターライフルのラインナップも取り揃えております。人気銃のため、すぐに在庫がなくなってしまうことがりますので、予めご了承ください。気になった銃を見つけた場合は、できるだけお早めにお問い合わせください。

 

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